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13 とある栞の友人達

 

 とある日、栞の友人3人が、食堂で栞の事を話していた。


 超絶コミュ力を持つ栞と言えども、自分がいない時、女子達の噂の餌食となるのか?


 盗聴……いや、天の力を使って聞いてみた。



「あーーーまた栞は長谷見君とお昼かー」


「栞とたまには一緒にご飯食べたいー」


「あの子話題豊富で、回りに気を使うし、人の悪口言わないし」


「いいこだよねええええ」

 三人の声が重なる


「そういえばさー栞ってさー、どんな子でも絶対に良いところがあるって言うし、差別とかしないし、私ちょっと苦手な子がいても、栞となら安心して話せるんだよねー」


「そうそう、優しいだけじゃなくて、他の子の悪口とか言うと、違うって怒るんだよねー、でもただのいい子ちゃんじゃなくて、ちゃんとその子を理解して、それはこういう事だからって理由を付けて、私感心しちゃった」

 栞の友人AはA定食の麻婆茄子を食べながらそう言った。


「私も昔悩みがあって友達に相談したら、それをばらされて嫌な目に逢ったの、でも栞ってさー言ってほしくない事って、絶対言わないでしょ安心して相談しちゃうんだよねー」

栞の友人Bはそう言うとB定食の鳥の竜田揚げにかぶりつく。


「勉強もすっごい出来るからさー頼れるよねー、私中学の時、今度のテスト数学ヤバいって言ったら、栞が試験範囲の予想問題と模範解答くれてさー、これが凄いの分かりやすいしズバリ同じ問題が何個もあってさー」

 栞の友人Cはお蕎麦と稲荷のセットの蕎麦啜った……C定食じゃあないんかい!


「えーーーーいいなーー私も欲しかったー」


「でも毎回頼ってると、あなたの為にならないって言うんだよーでも、優しくちゃんとこうしたら良いよって教えてくれて、私、泣いちゃったよがんばるって」


「そうそう、怒る時もちゃんと優しさもあって、うちの親とは大違い」



「でも栞と話すの大変だよねー中々喋れない」


「だってクラスの女子殆どが喋るタイミング狙ってるんだもん」


「もうさー予約制にしてほしいって感じ?」

「あ、それいいかもーー私チケット買うーー」

 三人同時に大爆笑する。


「普通に喋っても超面白いし、ファッションとかも詳しいし、栞が喋るのを黙って聞きたいくらい」


「でもさーそう言う所も気を使ってない?自分が喋りすぎないようにみたいな」


「そうそう、聞き上手なんだよねー、皆で喋っててもちゃんと聞いてくれて、あと元気がなかった子とか後でライン来たりしてるみたい」

 栞の友人Aはそう言うと、過去に来てスクショしておいた栞のメッセージをいとおしいそうに見つめる。


「あーー私も来た、栞のライン」


「あー栞のラインヤバいよねー、今日はどうしたの大丈夫?ってさー私びっくりしちゃった、全然普通にして誰にも気付かれなかったのに、栞にだけ見抜かれてさー」

「本当に?まじ神じゃん」


「でも栞ってさー彼氏居ないのかなー」

「あーーそれねー」

「絶対言わないよねー」

「モテるでしょーあの子」



「恋愛相談も上手いらしいよ、こうしたら良いとか的確で」

「経験豊富っぽいんだけど、彼氏どころか好きな人さえ隠すよねー」

「隠すっていうか、本当にいないのかも」


「あ、でも私中学の時に、何度か栞が違うクラス、チラチラ気にしてたの見た事ある」

「えーーー本当、やっぱしいるんじゃない?」

「でも栞って他のクラスにも友達一杯いるし、その子の事を気にしてあげてたのかも」


「そうかーでもいるかもしれないよねー」


「知りたいねー、私栞の好きな人が、私の好きな人だったら諦めて譲っちゃう、ていうかもう応援しちゃう」

「あーー私も好きな人が同じだったら協力しちゃうかも」

「私の彼氏が栞の好きな人だったら別れる」

「あんた彼氏できたことないじゃん」

「えーー仮によ仮に」


「あのさー私ちょっと思ったんだけど言っちゃっていいのかなー」

「え?何?栞の悪口なら聞かないよ」

「えーー言うわけ無いじゃん、聞いたことないし、そんな子がいたら大変だよ」

「あーーやばいよねー、みんなに無視されちゃう」

「で、その無視された子を栞が助けちゃうんでしょ?」

「ありそう、てか絶対そうなるねー」


「で、思ったって?」


「あ、そうそう、栞なんだけどさー、ひょっとして長谷見君の事好きなんじゃない?」

「えーーーそれって悪口?」

「違うよーー、でもありえなくない?」


「うーーーんでも兄妹でしょ?」

「一緒に登校して、一緒にお昼食べて、一緒に帰ってるから?」

「兄妹にしては、ちょっと仲良すぎるような気がするけど、まあギリギリあるかな?」


「でも栞が今まで自分から一緒に食べようとか、帰ろうとか言った事なくない?」

「人気があるから言わなくてもいるからでしょ」

「だから、それって差別しないって事じゃん、でもさ長谷見君は差別してるって事でしょ」

「お兄さんだからそれはしょうがないんじゃない?」

「でも栞ものすごく楽しそうだよね」

「あーーうんうんあんな笑顔なかなか見せないよねー、いつも回りに気を使ってるし」

「長谷見君の時だけ安心してるみたいな、目が兄じゃなく恋人を見る目なんだよね」



「うーーーーーーん」

 三人は腕を組みそろって悩む……。


「あるのかなーーそんな事」

「例えば栞自身が自覚してないとかは?」

「あーー、あの子自分の事には疎そうだもんね」



「ねえねえ仮にそうだとしたらどうする」

「えーーーーそんなのきまってるじゃない」

「ねーーーーー」


 周りの目も気にせず三人揃って言った。


「応援しちゃうううううう」


「タブーとか関係ないよー栞だよー叶えてあげたいよねー」

「そうそう、栞だってちゃんと分かってるでしょう?あの子頭いいもんね」

「じゃあどうするどうする」


「本当かどうかわからないし、憶測でみんなに言ったら悪口と変わんないじゃん」


「じゃあ、とりあえず私達でやることは一つだね」


 さらに三人揃って手をテーブルの上で重ねて誓うように言った。


「あたたかく見守ろう!!」


 超絶コミュ力を持つ栞、もう魔法とか催眠術とかそんなレベルである。

 その能力に本人は気付いていない、というか無意識なのが怖いんだが…。


 こうして特に広めた訳ではないが、各女子グループで同様な事が起き、二人の邪魔をしないという空気ができあがった。
























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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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