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51-11 妹の座争奪戦


  今日は母主催の晩餐会、私は準備の為に仕方なく学校を休んだ。

 

 私は今日あの人に会えない寂しさを、悲しさを抱えつつ晩餐会を過ごしていた。



「ど、どうしよう……」

 primary school(小学校)以来男の子を好きになってしまった……


 始めは栞が可愛い、凄く魅力的、私の物にしたいと思って転校してきた。


 栞の後ろには常にお兄様がいた、栞の心にもお兄様がいる。

 

 最初から気になっていた、栞のお兄様の事……でも私……男の子は嫌い、がさつで、力を誇示し、女を下に見る。

 

 多分母も今はそう思っているのだろう……


 私は女の子が好き……女の子は綺麗で可愛い、優しく愛らしい……私の周りにはそんな子達ばかりだった。


 スイスでは皆私を好きでいてくれた、私も皆が好きだった……


 日本に来てもそれは変わらない、ううん日本の女の子はさらに淑やかだった。


 そして私は日本に来てある名前を聞いた、長谷川 栞という名前を……


 話しを聞くとまるでアニメから出てきた様な女の子、誰にでも優しく美しく皆から愛されそして綺麗な心の持ち主と……。


 私は興味を持った、栞は非常に友達が多かったお陰で何人からも話しを聞けた。


 その誰もが栞の悪口を言わない、聞いたことがない、今までそんな事は無かった。

 

 誰にでも欠点はある、でも私はそんな欠点も皆大好きだったのだけど。


 今まで会ったことのないタイプの女の子……私は会ってみたいと思っていた。


 すると向こうから会いたいと連絡が来る。



 私はこの神様がくれたチャンスを逃すことなく栞に会いに行った。


 栞と初めて対面した時、私は衝撃を受けた。

 栞は私の予想を遥かに越えた愛らしさ、そして可愛さだった。


 こんな娘今まで見たことが無かった、この子は女神なんじゃないかなって……ううん女神ってこの子をモデルにしたんじゃないかって位。


 私は俄然興味が湧いた、この子はどうしてここまで愛らしいのだろうと……


 私は転校を決意した、もっと栞と話したい、どうして貴女はここまで美しいのか愛らしいのか観察したかったから。


 すると見えてくるのはお兄様の存在、ううんちょっと違う、存在どころではない……栞はお兄様で出来ていた……


 あの愛らしい栞が男の子で出来ている……ちょっと言い方が悪いかな? 栞の愛らしさが形成されたのはあの裕というお兄様のお陰と言うのが見えてきた。


 あのがさつな男の子という生き物から何故栞という女神が生まれたのか、私は興味が湧いた……私の興味は栞からお兄様になった。


 それから学校でお兄様を見てきた。


 お兄様は今まで思っていたがさつで力を誇示し女を下に見るという私が思っていた男の子のイメージとは180度違った……


 一見ボーッとしていて、暗い感じ、顔もスタイルも普通、目立たない存在という印象、でも私は知っている、お兄様がいざという時、輝く事を……そう最初に会った時お兄様は輝いていた。


 最初に会った時、流石栞のお兄様と思った、でも普段のお兄様は全然輝いて居ない、gloomy(ネクラ)だった。


 ひょっとしてお兄様はクラークケントなのか? 日本語で言うと昼行灯って奴? そうかお兄様は栞にとってのスーパーマンなのか? 私はそう思った。


 でも私は確信が持てない、というよりは男の子の事が分からない、知らない。

 女の子の事は大抵分かる、それだけの交流を今までしてきた。


 そんな思いでいた、そしてあの日、そう……お兄様がドレスを着た瞬間私の中で何かが弾けそして繋がった、そうか男も女もない、同じ人間なんだと言うことに気が付いた。


 お兄様は可愛いく優しく美しい、そして栞に対して深い愛を持っている、多分それが滲み出て居るのだろう、それに気が付いている女の子が居た、あの生徒会のメンバー達だ。


 彼女達は誰もが美しい、私が今まで見てきた女の子達の中でも全員がトップクラスに美しく、そして可愛いかった。


 それが皆お兄様を好きでいる、ううん違う、ひょっとしたら彼女達もお兄様が作ったのかもしれないと思った。


 

 

 そして栞に対する深い愛……もしあれが栞ではなく、自分に向いてくれたら……




 私は思ってしまった……あの愛に包まれてみたいと、そうしたら私も栞になれるんじゃないかと……


 多分お兄様が好きな女の子達は皆栞に憧れている、そしてその栞を形成したのはお兄様、つまりお兄様に愛されれば栞になれるかもしれない、そう思っているんじゃないかって……


 私は栞が好き、愛している、栞が欲しいと思った、思っていた。


 栞の全てが欲しい、栞の全て……それはお兄様だ、つまりお兄様を手に入れれば栞になれる、栞の全てが手にはいる。




 「私は女神になれる……」


 


 お兄様を手にいれることが出来たなら、私は神になれる、女神になれる……なりたい私は女神になってみたい……栞になってみたい……


 そして多分お兄様は知らない、いや知っているが知らない振りをしているのかも知れない、栞が女神と言う事を……


 この妹争奪戦は……女神になれる権利を手にする事が出来る争いなのかも知れない…………


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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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