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45-3 葵の過去


 とりあえず、美月と会長が両隣、俺の頭の上に先生と妹の頭が来る様な布団の配置になった。


〖   〗〖   〗

  ︗︗︗


  ︘︘︘

 こんな感じ……


 俺は会長が寝るまで動けないので妹を先に風呂に行かせ、部屋で会長を寝かしつけながら美月と先程の続きを話す。


「美月は何を悩んでいたんだ?」


「うん、葵ちゃんとにいにの名前なんだけどね~」


「何か気になるの?」


「う~ん……葵と蛍で思い浮かんだんだけどね、源氏物語五十四帖の九帖と二十五帖が葵と蛍なんだよね」


「は?」


「桐壺、帚木、空蝉、夕顔、若紫、末摘花、って続いて第九帖が葵、第二十五帖が蛍……」


「なんか関係があるのか?」


「うーーーん、偶然?」


「なんだそれ」

 俺はずっこけそうになる、まあ寝てるのでこけないけど……


 ちなみに会長は俺の手を握ってうとうとしている、ちなみに先生が会長の家から下着や着替えを持ってきている、さすがにパジャマとか迄は持ってこれなかったので今は自分のロングのTシャツ1枚で足元にタオルケットを掛けている。


 チラチラ見える生足が……


 そして布団は3組しかなかった為に俺は2枚の布団で会長と美月二人に挟まれる形でとりあえず寝転がっている……妹が部屋に戻ってきたらヤバイかも……


 ちなみみもう一枚は妹、先生は掛け布団を敷いて寝転がって一緒に話しを聞いている。


「でも……何か気になるの……」


「何かねえ? 名前を付ける時にそこから取ったとか?」


「それだ!! お兄ちゃま天才!!」


「へ?」


「そうか……幻がお父様なんだ!」


「は?」

美月が何を言っているのか全然わからない……


「でも美月ちゃん、蛍はわかるけど、葵の上って結構不遇というか、早死にしちゃうじゃない? そんな名前を付けるかな?」

 突如先生が話しに参加する……さすが国語教師……


「うーーん、でも最初の子供の名前を付ける時って、後から産まれる妹や弟の事を考えて付けるってあまりしないと思うんだけど」


「葵が後付けって事?」


「うん、それにそんなに不遇でもなかったでしょ? 源氏の最初の奥さんで子供まで授かったし、あと例えば京都の下鴨神社の葵祭りを見たときに……出来ちゃったとか?」

 ケラケラと笑いながら言う美月……小学4年で出来ちゃったとか……やめてくれ~~


「美月ちゃん…………」


「ちょ、ちょっと待ってくれ、全く意味がわからない、それと名前とどう関係が」


「うん、あのね……三文字名字ってバランスを取るために一文字とか三文字の名前にする事が多いの、お兄ちゃまもお姉ちゃまもそうだよね」


「ああ、まあ聞いたことはあるけど、別に2文字もいるだろう?」


「うん、まあそれはおいといて、多分葵ちゃんのお父様はそう考えたんだと思うの、でね五十四帖で一文字って三つしか無いの、葵と蛍とあと一つが……幻」


「幻?」


「うん、葵は葵の上、蛍は、蛍兵部卿宮と二つは名前なのね、幻は、『大空をかよふまぼろし夢にだに見えこぬ魂の行く方たづねよ』っていう源氏が紫の上を想い詠んだ歌で名前じゃないの」


「だから付けなかったって事?」


「うーーん、それ以前に幻なんて名前付けないと思うよ~~」

 またケラケラと笑う美月……もう凄すぎて何を言っているのか何を考えているのかさっぱりわからねえ……


「それで、幻がお父様ってのは? いないって事?」


「ううん、葵ちゃんのお父様の名前が幻って事なんだよ」


「は? さっき幻なんて名前の人いないって」


「うん、お兄ちゃま、葵ちゃんってハーフなんだよね?」


「あーまあ、多分だけどね、美智瑠みたいにクオーターの可能性もあるけど」


「うん、とりあえずハーフと仮定して話すね、名前が那珂川 葵と言うことは、多分お父様が日本人でお母様が外国人と言うことになると思うのね、まあ厳密に言えば帰化とかの可能性もあるんだけど、とりあえず可能性の話しね、で、まあ一番話す言語って英語なんで英語で会話をしていたと仮定するとね、わかることが出てくるの」


「わかること?」


「うん、葵ちゃんのお母様の名前」


「えええええええ!!」


「葵が妹、蛍が兄、幻が父=お母様の名前って事ね」


「それって源氏物語から取ったって事?」


「あはははは、それは違うよお兄ちゃま、逆だよ、お母様の名前からお父様のアダ名を取ってそれを訳して幻、そして最初の子供が産まれて蛍と名付け、次に産まれた子に葵って付けたの、順番からするとそうなるでしょ?」


「訳?」


「そう多分葵ちゃんのお父様とお母様が呼びあってたアダ名というか…………えっとね、幻を英語にするとPhantomって言うの」


「それはわかるけど……それが名前?」


「お兄ちゃま、ファントムって名前を聞いて何を思い出す?」


「え? うーーーーーん 戦闘機?」


「あはははは、アメリカの戦闘機だよねF-4ファントム、お兄ちゃま男の子だもんね、でもちょっと色気が無いかな~? 恋人同士でする会話じゃないよね、さすがお兄ちゃま恋愛経験小学生以下だけの事はあるね」


「ほっとけ、うーーんでもファントムで思い出す名前ね?」



「分からない? お兄ちゃま、先に答えを言うとね……美月の予想だと、葵ちゃんのお母様の名前は…………クリスティーヌ」





「ママ!!!」



 美月がその名前を言った途端、寝ていた会長が呟いた!!!








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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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