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4-1 制服デート

 

「五寸釘…丑三つ時……ふふふ」


「おーーーーい栞ーーー戻ってこーーーい」


 暫く闇落ち妹を横から眺めていた。

 妹の中で結論が出たのか(答えは知りたくねーー)我に返るなり

 唐突に話し始めた。


「あのね明日なんだけど、お兄ちゃんと行きたい所があるの」


「学校終わってから?何処に行きたいの?」


「うん、あのねお台場」


「お台場だと夜になっちゃうよ?いいの?」


「うん」


「じゃあ行くか、母さんには栞と一緒にクラスの集まりがあるからちょっと遅くなるって言っとくよ、着替えてから行くのも変だし制服のまま行っちゃうか」


 同じクラスだし、ギリギリ嘘は言ってないごめんな母ちゃん


「うん!」


「初、制服デートだな」


「えへへへへへ」


 妹はまたなにやら妄想の世界に落ちていった


 おーーーーーーい、妹ってこんなキャラだったっけ?




 ####






 翌日放課後、相も変わらず妹は友達に捕まっていた。


 とりあえず、メールで駅の本屋にいるよと送り先に出る。


 学校から駅は家と反対方向、だが一本道

 いつもは通らない川沿いの道を歩いて居ると

 後ろから


「お兄ちゃーーーーん」と声が聞こえてくる


 妹が息を切らし走って追い付いてきた。


 はあはあと俺の前で息を整える妹


「大丈夫?」


「うん、友達にちょっとしつこくカラオケ誘われんだけど、今日はちょっとお兄ちゃんに買い物付き合って貰う約束しちゃったからからごめんねって言っちゃった」


「俺と一緒にって言ってなんか言われた?」


「うん、へーーー仲良かったんだークラスであんまりしゃべんないから仲悪いと思ってたって」


「みどりちゃんなんて、お兄ちゃんの存在事態知らなかったって失礼しちゃう!」


 みどり?誰だ俺も知らない、ってかクラスの女子の殆どを知らないぞ交流無いし、ううう、ちょっと心が痛い


 ちなみに駅までそれほどの時間はかからないが


「栞ーあ、どこ行くのーえ! 彼氏?」

「栞さんどこ行くの、そちらは?」

「しおりーーん、あれお兄さんと並んで珍しいどこ行くの?」

「しーちゃん久しぶりーーーとえーーとしーちゃんのおにいさんじゃん、お出かけ?」


 と通学路だし近所だし声をかけられる、かけられる。



 しかも最後の奴は中3の時の同級生だったぞ、俺の名前忘れてやがったな

 安心しろ、俺もお前の名前は忘れているぞ!


 しかし並んで歩いているだけでこの騒ぎ、もし付き合ってるなんて事がバレたら…




 ####




 電車の中では流石に声は掛けられなくなり(ちょっと離れた所から手を振ってきたのは数人居た)一安心、妹の顔の広さに恐ろしさまで感じ始めながら、お台場に向かう。


 俺の前で妹が鞄を両手で持ち、ニコニコしながら鼻唄混じりで外を見ていた。


「鞄持つよ」


 少し重そうな鞄を中心に電車の揺れに合わせ身体が動いていたので鞄に手を伸ばしたが、慌てて鞄を胸の前に抱え、顔を半分覗かせ


「だ、大丈夫重くないよ、あ、ありがとお兄ちゃん」


「遠慮しなくていいぞ」


「うん大丈夫」と頑なに離そうとしない。


 なにかあるのかなと思いつつも、妹がそう言うならしょうがないと

 そのままお台場に向かう。



 お台場に付くと既に日が暮れ始めているが、とりあえずちょっと休みたいと近くの喫茶店でお茶を飲む。


 何かを待っている様な雰囲気を感じ、上機嫌な中でも若干の緊張感が漂う妹を見つつ、他愛も無い話をする。


 6時過ぎ次第に辺りが暗くなり妹は


「お兄ちゃん私ね、今日一緒にあれに乗りに来たの」


 とお台場にある観覧車を指差した。


「一緒に乗ってくれる?」

 と、首をかしげ不安そうな顔でこっちを見る。


「いいよ、行こうか」


「うん!」


 二人で観覧車乗り場に向かった。




 お台場大観覧車16分で1周し、お台場の夜景が楽しめる有名デートスポット。


 兄妹で制服姿、知り合いがいたらかなり疑われ兼ねない


 色んな意味でドキドキしながら観覧車乗り場に到着。


 夜の観覧車、周りはカップルしかいない。


 学生には少々高い料金、妹の分まで払おうとしたら、またもや頑なに拒否され逆に俺の分を、私が誘ったから私が払うの!と強引に払い乗り込む。



「わーーーーわーーーーわーーーー」


「すごーーい、すごーーーいねえお兄ちゃん、すごいよおおおお」



 発車後暫くするとお台場の景色が一望でき妹がはしゃぐ



 景色を堪能すると栞が椅子に座り直しこちらを見る。


「ねえお兄ちゃんそっちに座って良い?」


「え?良いけど、どうしたの今日はちょっと強引ていうか変だぞ?」


 いつもと違い強引で大胆な妹


「お兄ちゃん気がついていると思ってたけど、やっぱり忘れてるんだ。」


「え?」


 俺の横に座り妹が俺を見上げにっこり笑う



「誕生日おめでとう」


 あ……すっかり忘れてた。



























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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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