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34 打ち上げ花火

 

 『ドッガーーーーーーン』


 うーーんこの文字だと迫力がない……、聞いた事は当然無いが、爆撃の様な音がする……

 本当にロボット物になった…………分けでは無い、今皆で花火を見に来ている。


 麻紗美から花火に行かないかと誘われるも、人混みが苦手な俺は難色を示す。

 すると、周りに凄く人が少ない穴場の見物場所があると言われ、それならばと来てみた。


 河原の土手で大勢が見物する市主催の花火大会、その土手を通り抜け草野球の野球場に入る

 そこは本当に穴場で周囲にはチラチラとしか人が居ない、外野の芝生にレジャーシートを広げ5人で花火を見ている。


「すっごーい、花火が大きいい」

 妹が喜んで見上げている、花火が上がる度に暗闇から妹を照らしピンク系の牡丹柄の浴衣を着た妹が凄く綺麗に見える。

 立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花……ま、まさにうちの妹じゃないか!!


「立ち入り禁止区画~ギリギリだからねぇ~」

 青系の菖蒲柄の浴衣を着た麻紗美が答える、麻紗美の胸元が少し緩くて、花火が上がる度に大きくて柔らかそうな物がチラチラ見える。

 やっぱりいつも通り……大きい……


「お兄ちゃま、ちゃんと花火見てる?、ほら今土星とニコニコマーク花火が上がったよ、見た?」

 妹お下がりの赤系桜柄の浴衣着た美月が花火を指差す、見てるよ、見てる、ほらチラチラって書いてあるだろ。

 しかし、赤の浴衣が超似合う、美月めちゃくちゃ可愛いぞ!!


「このおにぎりうまいな!鮭とイクラか!この唐揚げ下味がついていて最高だぞ、裕も食べてるか?」

 いや、花火見ようよ美智瑠……まあ美味しいけど……黒系の水仙柄の浴衣を着ている、裾の乱も気にせずに持ち寄ったお弁当を食べまくっている、花火が上がる度に美智瑠のパンツが……黒?……、えっと履いてるよね着物と勘違いしてないよね…………安心させてくれ~~

 あれ、でも美智瑠って銀髪だから…………安心しました履いてますね


「痛った!!」

 右腕から激痛が、妹が上を見ながら俺の腕をツネリあげる、いたたたたた


「お兄ちゃん、どこ見てるのかな~~?花火を見に来たんだよね?」


「…………はい」



「まあまあ、はなより団子ならぬ花火よりお弁当だぞ、皆で食べよう、旨いぞ!」

 最初から花火そっちのけでお弁当をパクパク食べる美智瑠……確か努力して女の子っぽくしたとか言ってなかったっけ?、すっかり昔の美智瑠じゃねえか……まあこっちの方が好きだけどな……


 俺が昔を懐かしんでるのもそっちのけで弁当を食べまくる美智瑠……それ麻紗美の手作りじゃねえか、俺の分も残しておけよ。


 麻紗美は料理が凄く上手い、そこそこ何でも作れる妹が習いたいと言うほどの腕前、前にクッキーを貰ったが、市販品より旨かった。



「ねえねえお兄ちゃま、お二人をちゃんと紹介して貰える?」

 俺の耳元で美月が囁く


「ああ、そうだった」

 美月の着替えに手間取り、集合時間から少し遅れたので時間が無く二人には、いとこの美月としか言ってなかった。


 改めて紹介しようと思ったが、とにかく音が凄い


『ドグッワーーーーーーン、パラパラ、ヒューーーーーーードグッワーーーーーーン』


「えっとおおおお、…………無理だよ!!」

 今度は俺が美月の耳元で叫ぶと……


「お兄ちゃま! 隙あり~~~」


 美月が俺の唇にキスをする………………寸前、目に何かが入る。


 虫? そう思った俺は慌てて顔を背けたそこに美月の唇が俺の唇の端から僅かにズレた頬にあたる…………って何しとんじゃあああ!


「…………」

「…………」

「…………」


 三人の目が点になる……、ああ……またか……


 最初に声を出したのは美智瑠だった……



「き、き、き、君は……今度は、いとこか! いとこに手を出したのか!! なんだ? 君は血が繋がってたら何でもいいのか節操無いの!!!」


 いやいやいやいや、手出してないから、妹にも美月にも出してないから。


「美月ちゃんてぇ、小学生だよねぇ?、えっとぉ110番ってぇ、スマホからかけぇられるよねぇ?」

 麻紗美がスマホを取り出す、いやいや、かけられるけど、やめてええええ。


「お~~にい~~~ちゃ~~~んんんんん、また美月ちゃんばっかりいいいいいい」

 やべえ……また同じ事させろって言って来る。てか美月いつまで抱きついてるんだ離れてくれえ。


「ききき、君は、小学生に……、だったら僕でもいいじゃないか、僕なら合法だぞ!!」

 ああ、また美智瑠が暴走し始めた。なんだ合法って……人を犯罪者みたいに言うな~~


「もしもし、お巡りさんですかぁ、ここにぃ小学生にぃ手を出しているぅ高校生がいるんですがぁ」

 マジか、まじで掛けてるのか?!


「お兄ちゃま!どうして避けるのお」

 無理やり引き離した美月が憮然とする。


「避けるだろ、てか何してる!!」


「えーーー花火を見ながら久しぶりにお兄ちゃまとキスを……」


「久しぶりってなんだよ久しぶりって」

 何を言ってる、それじゃ俺が前にキスしたみたいじゃねえか。


「な、な、な、やっぱり出してるじゃないか! 手を出してるじゃないか!!」


「もう警察じゃ無くてぇ、直接刑務所だねぇ~刑務所のぉ電話番号ってぇ何番?」

 いやいやせめて裁判を開いてくれ、俺は無実だ!


「お兄ちゃん……」

 引いてる……妹が引いてるの初めて見た……意外にショックだ。


「み、美月なに言ってるんだーー!」


「何って?」


「久しぶりにって」


「うん、久しぶりにお兄ちゃまとキスを」


「だーかーらー」


「えーーーお兄ちゃま忘れちゃったの?、美月が3才の時にお兄ちゃまとキスしたの」


「…………」

「…………」

「…………」


 またもや3人の目が点になる……いや4人の目が


『バラバラバラバラバラバラドグッカーーーーーーンバラバラバラバラ』

 盛大にスターマインが打ち上がり周りから歓声が聞こえる。


「えっと、美月さん?」


「ひ、酷いお兄ちゃま、美月のファーストキスを奪っておいて、忘れているなんて」

 いやいやいやいや、3才って、6年前? え? 俺したの? いや、それキスとかじゃないだろ?


「さ、さんさい、山菜?さ、ささんさざんが9」


「落ち着け美智瑠」


「もしもしぃ、ここにぃ、ロリコンの王様がぁいるんですがぁ」

 え、何、何処に電話してるの? え、王様? なにその王様ちょっと憧れるっておい。


「お兄ちゃん、さすがにそれは……」

 あー引いてる、妹が更に引いてる。


「酷い、お兄ちゃま酷すぎる、あんなに情熱的にしてくれたのに」

 情熱的ってなに? 大陸の奴?


「情熱的ってなんだよ、覚えてないけど、美月がすり寄ってきたのが可愛くて.ちゅってしただけだろどうせ」


「や、やっぱりしたんだ、君は……」

 うわ今度は美智瑠が引いてる、妹が引くよりショックだ。


「ゆうって……」

 え、麻紗美が引きすぎて喋りが普通になってる。小さい「ぅ」とか「ぇ」とか付いてないぞ、これだと誰だか分からないだろ。


「ううううう」

 ああ、今度は妹が泣き始めたガチで泣き始めた。


「もうお兄ちゃま、忘れたなら思い出させて、あ、げ、る」

 再度俺に抱きついてくる美月。


「あ、げ、るじゃねえよ小学生!」

 イテ今度は両目に何かが入り目をつぶる。


「あーーーー目を瞑った!!やっぱり……イテて」

 美智瑠が目を瞑る。

 そして何か火薬の匂いが……


「うわ、なんか一杯落ちてくる、イテて」


「痛い、目に痛い」


「え、何これなんか細かい紙が」


「あーーこれねぇ、ここ打ち上げ場所に近すぎてぇ風向き悪いとぉ、花火の破片が一杯落ちてくるんだぁ」

 うお!なんか結構デカイ破片もヒラヒラ落ちてくる。


「お兄ちゃま、目に何か入った~~とってえ」


「やだよ、絶対に狙ってるだろ~~」


「ち」

 いま舌打ちした、美月が舌打ちした!


「そうか、なるほどその手が、イテてゆう、僕も目にゴミが」

 いやいやいやいや、取らないから、て言うかそれで乗ってくると思ってるの、美智瑠バカなの?


「お兄ちゃん、私もゴミが」

 妹よお前もか……俺の事になると本当途端にポンコツになるなこいつ……


「ゆうぅ、私もぉ」

 ああ、麻紗美まで……ちょっと言い方が遠慮がちで可愛いけど3段落ちになってるから……


「もう、お兄ちゃま! わたしが優先でしょ! お兄ちゃまのファーストキスの相手だよお」

 いやだから俺小学生だろ、お前赤ちゃんってレベルだろ、そんなのカウントするなよ~


 そして更に盛大に花火が上がる、前半終了の合図の様に、ハーレム展開の導入部の様に……








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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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