表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/24

第20話、阿蘇へ行く(中)

参考までに。

米塚の項。

http://e-kumamoto.info/db/one/314.html


草千里の項

http://e-kumamoto.info/db/one/310.html


 15分程度、二人で風景を眺めた後。

伯父さんたちの車に戻った。




どぎゃんやった(どうだった)?」


「はい、とても綺麗でした」


「……うん、良かったよ」


「良かったやんね(じゃない)




 伯母さんの言葉に、僕と姉さんは全く異なる返事を返した。


 姉さんは、伯母さんを見ると、恥ずかしげに俯いて言った。


 しかし伯母さんは、姉さんの表情を見て、満足そうにそう言う。


 ……あの、僕はスルーですか?


 そして、寝ている伯父さんを起こすと、車を出発させた。




 *********




 そうして車でカルデラの中に降り、それから中岳に向かう。


 本来なら、草千里に行った後、近くにある噴火口まで行くのだが。

火山活動が活発になっている為、立ち入り禁止になっているそうである。


(※四年前('15年)の作品ですが、現在も('19.5月)また立ち入り禁止になっています)


 なので今回は、草千里までに(とど)める事になった。




「うわっ〜!」




 中岳を登って行くと、周囲の風景に感動する。


 果てしなく続く草原の緑と、濃い青の夏の空。


 そのコントラストに、心を奪われた。


挿絵(By みてみん)




「あれ、あれは?」


「ああ、あれは米塚(こめづか)やね[だね]」




 途中で、こんもりとした可愛らしい丘が見えた。


 それを聞いた伯父さんが、その丘を米塚と言い。

大昔の噴火口後だと説明した。



 ・・・



挿絵(By みてみん)




「はあ〜、広いなあ!」




 草千里に着くと、目の前に広大な風景が広がっていた。


 地形が、広い草原の周囲を、山が取り囲んだ盆地になっており。

草原の真ん中に、大きいが浅そうな池があった。


 そして、車を草千里の道路を挟んだ反対側にある、広い駐車場に止めると。

お昼の混雑を避ける為、少し早めの昼食を取ることにした。




「ま〜くん、お昼()食べに行こう」


「うん、分かったよ」




 立ち止まって、風景を眺めていた僕に、姉さんが声を掛けた。


 僕は返事をして、一緒に駐車場にあるレストランへと向かった。




 *********




 昼食を済ませると、姉さんと二人で草千里を歩いた。


 昼食を食べ終えると、伯父さんも一緒に行こうとするが。


 伯母さんが。




「帰りも疲れるけん(から)、ゆっくり休まんね(休みなさい)




 そう言って、伯父さんを車に押し込めた。


 そうして、伯父さんを押し込めた後。




「また、二人で行かんね(行きなさい)




 ニコニコしながら、僕たちを送り出した。



 ・・・



 こうして、草千里に二人で出た訳だが。


 草千里は、夏の日差しが降り注いでいるけど。

標高が高いので、吹く風は冷たく。

それが暑い日差しを相殺して、不快に感じる事は無かった。




「ま〜くん、赤牛ん[の]所(とこ)に|行こう」




 草千里を歩いていると、姉さんが牛を指差して、急に言い出した。


 草千里には、この時期、肥後の赤牛を放牧してある。


 赤牛は、非常に大人しいので。

観光客が接近しても大丈夫なのだ。




「あ、足元に注意しないと」




 姉さんが、赤牛に突進しようとしたので、注意する。


 今の時期、牛が放牧してあるので。

草原には、牛のフンが落ちている事があるらしい。



 注意した後、僕は、慌てて姉さんの所に向かう。


 僕が追い付くと、姉さんは。

寝そべっている赤牛に接近して、じっくりと観察している。


 赤牛は、一旦こちらを一瞥(いちべつ)するが。

次に、感心なさげに向こうを向いたのである。


 それでも、姉さんは満足したらしい。


 こうして姉さんと、寝そべっている赤牛を。

しばらくの間、観察していたのであった。



(※米塚の写真はWikipadiaから、草千里の写真はフリー写真素材を使用しました)



'19.5現在、火口から周囲1kmは、立ち入り禁止に指定されている様です。

(参照: http://www.aso.ne.jp/~volcano/)



九州の口の悪い人間は。

草千里が牛を放牧して、牛の糞が多いので。

ク○千里と言って、揶揄してますね(笑)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これらの作品も、熊本を舞台にした作品です。
・思い出の海と山と彼女
・変わらない仲と変わった思い

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ