第17話、帰り道で
参考までに。
Wikipedia下通の項。
https://ja.wikipedia.org/wiki/下通
上通で、ショップを一通り見渡した後。
次に下通に、移動した。
上通は、比較的小さなショップが多いが。
下通は、老舗の百貨店やパ○コなどがあるのだ(※この物語は、熊本地震以前の話です)。
こうして、再び道路を反対側に渡り、移動した。
・・・
下通でも、ビルの中に入り、ショップを見回した訳だが。
しかし、姉さん、ファンシーな雰囲気のショップにまで。
僕を、連れ回そうとしないで欲しい。
女性ばかりが居る中に、異質な存在が混じっていた訳なので。
僕は、目立ってしまって仕方がなかった。
そのショップで姉さんは、以外と粘っていたので。
長時間、僕は居心地が悪い思いをしたのである。
・・・
それからも、色々と見て歩いた。
この頃には、もう一日で、一番暑い時間帯になっていたので。
できる限り建物の中や日陰に入るよう、移動していた。
でも、あちらこちらで、くま○ンを嫌と言うほど見るよなあ・・・。
色々な所で、く○モンの看板や、ポップなどが目に入ってくる。
ところで、食事の方は。
途中のハンバーガーショップで、簡単に済ませていたのである。
こうして二人で、色々話しながら歩いていたら。
空に低い雲が出だしたの気付く。
それに、空気に妙な水気が感じられる。
もうすぐ雨が降るかもしれない。
「姉さん、ひょっとして雨が降らない?」
「うん、ちょっと早かばってん、夕立が来るかもしれんね」
「早く帰った方が良いじゃないかな?」
「傘も持って来とらんしね」
と言う訳で、早々に伯父さんの家に帰る事にした。
*********
「うわぁ〜」
「きゃ〜」
電車が、家の近くの電停に止まった所で、雨が降り始め。
電車から降りて、道路を渡ったら、雨足が急に強まった。
急に強くなった雨に、僕達は慌てて走り出す。
「ま〜くん、あそこさん入ろう〜」
僕の手を引きながら、姉さんが前を指差した。
鳥居が見える。
どうやら、神社があるようだ。
それで僕は、姉さんに手を引かれながら。
二人は神社の敷地に、入って行ったのであった。
・・・
神社に入り、お宮の軒先で雨宿りをする。
「うわ〜、ビショビショ」
姉さんが僕の隣で、濡れた服を摘んで言った。
「こっちもだよ」
僕もそう言いながら、姉さんの方を見た。
「(あっ!)」
姉さんの方を見ると。
姉さんの豊かな谷間が、僕の目に飛び込む。
摘んで持ち上がった襟から偶然、姉さんの服の中身が見えたのだ。
「〜〜〜〜」
僕は、頬が熱くなりがら、姉さんから顔を背ける。
「?」
しかし、姉さんは、そんな僕を不思議そうな顔で見ていたのである。
・・・
(ぶるっ……)
しばらく経った頃、姉さんが体を振るわせた。
雨に濡れて、体が冷えたからだ。
そうして、姉さんが体を振るわせたのを見て、僕が尋ねてみる。
「姉さん、寒いの?」
「う〜ん、ちょっとね……」
僕に心配させたくないけど、寒いのは事実なので。
そんな歯切れの悪い、返事をしていた。
・・・
(ぶるっ……)
姉さんがまた震えた。
流石に寒いのか、肩をすくめ、手を前の方に持っていき。
必死に、我慢している様に見える。
見ていられなくなった僕は。
姉さんの後ろに、廻り、そして。
「あっ……!」
姉さんを後ろから抱き締めた。
「ま〜くん……」
「姉さん、これで少しは温かくなるよ」
「う、うん……」
姉さんは一瞬、後ろの僕を見た後、すぐに前を向きながら俯いた。
僕は、寒さに震える姉さんを見ていられなくなり、姉さんを抱き締めたのだが。
普段だと恥ずかしくて、とても出来る事では無かった。
けど姉さんを見ていて、何だか可哀想になり、思わず、行動してしまったのだ。
「ま〜くん、温かか[温かいよ]……」
ウットリするような声で、呟く姉さん。
とても気持ち良さそうだ。
更に、前に廻した腕に、自分の手を重ね。
より体温を確かめていた様である。
かく言う、僕も、濡れた姉さんの服と密着してる部分が。
直に体温を伝えているので、とても暖かい。
・・・
二人が居た場所は、周囲から死角になる場所なので。
人の目を気にする必要が無い僕は、そのまま姉さんに抱擁を続ける。
それから、しばらく経ち雨足が収まるまで。
僕はそうやって、姉さんを暖め続けていたのであった。
(※今回の写真も、Wikipediaから転載しました)
熊本は繁華街どころか市内、いや県内の主要な所には、何らかの形で必ずくまモ○が居ます。
それはシッコイ位に居ますので、歩けば絶対目に入りますね(笑)
後、下通りの奥の方は。
表通りから路地に入ると、ムフフな大人の店ばかりになります(笑)