第16話、繁華街を歩く
参考までに。
Wikipeida上通の項
https://ja.wikipedia.org/wiki/上通
信号をを渡ると、まず上通に行ってみた。
通町筋の道路がある、ホテルや、美術館などがある側の方である。
アーケードに入ると、姉さんはまず本屋に向かう様に引っ張ったのだ。
僕の手を握ったままで。
「(何だこれ?)」
姉さんに引っ張られ、本屋に行ったら。
その本屋の入り口は池があって、カッパの置物が置いてあった。
池がある本屋ってめずらしいなあ。
そう思いながら、姉さんと共に本屋に入っていった。
*********
30分ほど本屋に居た。
姉さんは、本屋でファッション関係の雑誌を、立ち読みをしようとしている。
僕も、何か別の物を読もう思い、行こうとしたら。
「ねえ、ま〜くん、一緒に居って[居て]くれんね?」
姉さんが甘えるように、僕に言ってきた。
そんな姉さんに負けて。
結局、僕は姉さんの隣で、同じ雑誌を見ていたのである。
「これ、私に似合うかね〜?」
姉さんが雑誌の写真を指差し、そう言うので。
僕も、「姉さんには、少し派手かな?」「これだったら似合ってる」などと答えた。
しかし、その光景は、まるでイチャつくカップルに見えるらしく。
時折、殺気に満ちた視線が送られてくるのを、イヤでも感じてしまう。
僕は、そんな雰囲気を感じたが、姉さんの方は平然としていた。
そして僕は、そんな居心地の悪さを感じつつ。
姉さんと一緒に、本屋に居たのであった。
・・・
本屋を出て、通りを奥へと進む。
この上通から下通に掛けては、熊本のファッションの集積地らしく。
特に、この上通一帯は、専門の店が一杯あるのだとか。
「ウインドショッピングばするけん」、と言われ。
姉さんと、手を繋ぎながら進んで行ったら。
「あれっ、美鈴ね?」
そんな声が聞こえたので、その方を見ると。
一人の女の子がいた。
「ああ! ユッコね」
姉さんが返事をしたら。
その女の子は、小走りでこちらにやって来た。
その女の子は、肩で切り揃えた髪型で。
一見するとミニスカに見える、デニムのキュロットスカートに。
生地がレース地の、涼しそうなオーバーを着ていた。
「ユッコ、何ばしに来よったとね〜」
「あ、うん、ちょっと買い物ば[を]しにね」
「私は……」
「デートやろ〜」
その女の子は、姉さんが言い終える前に。
僕と、それと繋いでる手を見て、そう言った。
「ああ、こん子は従弟の……」
「結局、デートやろが」
「ふふふ、まあね♪」
その娘は、姉さんの言葉を遮りながら、からかうように言う。
最初、姉さんは困惑していた様に見えたが。
次に意を決し、僕の手を強く握るながら、ニコやかな表情で返事をすると。
その娘は、ごちそうさまと、言いたげな表情になった。
「あ、急がんと、約束があったと」
「ユッコこそ、ホントはデートじゃなかとね」
「まあ〜ね〜♪」
その女の子がスマホの時計を見て、急いで立ち去ろうとした所に。
今度は姉さんが、からかうように言ったら。
その女の子が、先ほどの姉さんみたいな表情で返事をした。
そして、その女の子がアーケードの入り口の方に、向かうの見ながら。
「姉さん、誰だったの?」
「うん、クラスメイトの由季子。
私達は、ユッコって呼んどるとたい」
「そう、でも良いの? 誤解していたみたいだけど」
「うん? 何ば言いよると、私達デートばしょっとやろうもん」
「ええっ!」
「ほらっ、そぎゃんか事言っとらんで、早よ行こ」
姉さんがそう言って、手を繋いだままの僕を引っ張った。
こうして、僕は姉さんと手を繋いだ状態で。
色んなショップの、店先を歩き回ったのであった。
(※今回の写真も、Wikipadiaから転載しました)
上通、下通は、何年も行ってないので。
熊本駅、熊本城本丸同様、うる覚えの記憶を頼りに、ネットを見て書きました。