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汗嫌い。
久しぶりだな、さっき体育館の隅で座っていた柚川だ。
俺は、汗が大嫌いなんだが……
隣にいるあほ生徒会長がくさい。
「おい。銀。」
着替え中で、半裸な銀に言う。
「お前、臭いからこれ貸す。」
無臭の汗ふきシートを渡す。
「…、俺かぶれるからいらない。」
銀が嫌そうな顔で言った。
それでは……、
「スプレーだ。お前にぶっかけていいか?」
俺が少し笑いながら言う。
「やめろ。柚川。」
俺を名字呼びする銀。どうやら相当怒っているらしい。
「お前に、拒否権はないんだ。銀。」
会えて、今時の少女が好きそうなことを言う。
「スプレーも嫌だっていってんだろ。潔癖無臭男が!!」
「無臭のほうがもてるだろ!」
「俺、チョコ7つ貰ったけど?」
銀が、頭を掻きながら言う。だが、俺もし返す。
「俺は妹に10個もらった!!」
それを言ったと同時に俺は銀にスプレーをかける。
「俺の勝ち。」
これで、今日からも銀と仲良くしてられるしな。
臭い奴は嫌いだ。