少年と犬
少年「ねえ、あの鎌を持っている人たち誰だい?沢山いるね」
犬「あれは人じゃなくて故人だよ」
少年「でも、どう見ても幽霊じゃないよ」
犬「自分で命を絶っていないだけで、命を管理してもらっている他人に殺されたに等しい死人だよ。特定の人物に依存し切って生きた罰さ。彼らは死人なのさ。あの鎌を使って人の命を喰らおうとするのはそのためさ」
少年「自分の命を取り返したいってことだね」
犬「そうさ、みんな自分の命を取り返すがために殺し合っているのさ」
少年「終わりは無さそうだけど」
犬「終わりは彼らの自殺を意味するのさ」
少年「自分以外みんな敵に思えてきそうだね、敵に囲まれてよく平気だな」
犬「人の命を奪って生きてる人が自分の命譲らないよ」
少年「殆どが一人ぼっちだね」
犬「仲良くしたい気持ちがないから寂しくないんだよ」
少年「それにしても君は犬なのに人間離れした人間みたいなことを言うね」
犬「僕が犬なのは迫害を逃れるためさ、、、」
少年「ちなみに殺意の色は爛れた黒じゃなくて爛れた緑なのしってた?」
犬「え?そうなの?犬にはモノクロでしか見えないから知らなかった!」
少年「は!!僕の姿が透けてきてる!」
犬「君も犬なら良かったのにね、残念でした、はい、さようなら」