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貴志と海音は、ディーナの店がある殺風景な町を抜け、人通りの多いところに出ようとしていた。ディーナの店はこの妙な建物群の端の方にあるようで、すぐ近くから活気に溢れたたくさんの人の賑わいが聞こえる。
貴志はこの辺りに随分詳しいような慣れた足取りだったが、海音にとっては完全に知らない土地で、人の多いところに出るのは不安だった。しかし、貴志は容赦なく脚を進め、人々の声はどんどん近づいてくる。
壁に囲まれた暗い通りから出た瞬間、眩しい日の光に目を細めている暇はなかった。海音の目の前に広がった広い通りには、鮮やかで見慣れないものが溢れていた。見る物の多さに目を回しそうになる。
左右にずっと伸びるその通りには、左側にさまざまな店が並び、反対側には柵があって、川のような深くて広い溝があった。溝には水が流れていて、かなり緩やかに流れる水の音が地上の賑わいの合間に聞こえて涼やかだ。そこにはたくさんの船が、人や物を運んでいた。溝の向こうにも、こっち側と全く同じように道があり、店が並んでいる。
向こう側の店がほとんど見えないほど、ここにはたくさんの人が行き来していた。のんびりしていたり、買い物を楽しんでいたり、仕事をしていたり、そこにいる人は様々だったが、それ以前に、本当に同じときに同じ道を歩いている人々かと思うほど、さまざまな服装や人種の人がいる。一人一人が全く別の場所から来たのではと思うほどで、少数派も多数派もない。海音が目を見張るような身なりの人がたくさん居すぎて、いちいち目で追っていたら、目が百は要りそうだった。
人だけでなく、店一軒一軒でさえちぐはぐで、道がきちんと綺麗に整備されていることが不思議なほどだ。人々も建物も、統一感がないので、通りの景観としてはごちゃまぜな印象だが、部分的に見ればとても綺麗だった。
貴志はどこか目的地があるようで、海音になんの案内もせずに歩き続けた。人の多さも歩きにくいほどではなかったが、海音はなんとなく貴志のすぐ後ろに隠れるように付いていった。貴志は少し進むたびに人に声を掛けられてばかりいたからだ。
「貴志、仕事はどうだ? うまくいってるか?」
長髪のドレッドヘアの男がそう声を掛けてきたときは、海音は飛び上がりそうになった。その男は、真っ黒い肌で、髪にはビーズや毛糸を編み込み、二枚の布を張り合わせただけのような、単純な形の服を着ている。見たことのない楽器を手に持っていて、嫌な感じの人間ではなかったが、貴志の仕事と言えば、また海音の話が出るかもしれないと海音は身構えた。
「ああ、今姉貴にガキ押し付けられてそれどころじゃねえんだ。姪っ子のシナ。よろしくな」
貴志はすらすらと嘘を吐いた。仕事の時に、あらかじめ用意した嘘ならつけるというのは本当だったようだ。ドレッドヘアの男は疑う様子もなく、白い歯で笑って海音を見ると、足早に通り過ぎた。
その男が居なくなるか居なくならないかのうちに、黒髪の美しい中華風の女が声をかけてきた。
「鳶崎さん、うちの店に寄らない?」
その女は、着物に似た形だが、ずっと砕けた感じの赤い服を着ていて、きらびやかな中華風の店の前に立っている。妙なのは、その店が海音の知っている中華風とは微妙にどこか違っていることだ。海音はまじまじと女と店を眺めたが、はっきりした違いは発見できなかった。そもそも、海音にとっては中国だって外国なので、詳しくはない。
「ああ、今度な。今姪っ子に町を案内するところで」
貴志は困ったように笑いかけながら答えると、女は大した興味も無さそうに海音を見た。そしてふてくされたように店に戻っていく。女は、店の入り口のところでこちらを見ていた他の女に、貴志が来ないことを愚痴っているようだった。
海音がここでは中華風の店でもかなり親しみを感じることに気づき、複雑な気分になっていると、貴志が突然立ち止まったので、貴志の背中にぶつかりそうになった。
「鳶崎、お前今朝なんで逃げたんだ? みんな文句言ってたぞ」
海音が貴志の背中からわずかに顔を覗かせると、声の主は朝、サラの店で親しそうに貴志に声を掛けていた、汚い繋ぎを来た男だった。海音ははっきりと覚えていたわけではないが、サラの店にいた客だということはわかった。
「急用があったんだよ」
貴志が若干しどろもどろになりながら答える。その言い訳は用意していなかったに違いないと、海音は思った。そんな言い訳を聞かされた人は怪しいとしか思わないだろう。
案の定、男は訝るように貴志を見たが、そのとき貴志の後ろにいる海音に気が付いた。無精ひげを生やした強面だが、人の良さそうな笑みを海音に近づけて「やあ、こんにちは」と言う。
海音は突然声を掛けられたので対応できず、小さく頭を下げながら、本当に子どものように貴志の背中に隠れてしまった。男は面白そうににこにこしてそれを見たあと、疑いの目を貴志に向け、半ばからかうような口調で言った。
「可愛いな。お前の隠し子の一人か?」
「俺に十二のガキがいるように見えるか? つか、隠し子がわんさかいるみたいな言い方するな」
貴志が男を睨みつけながら言う。
「姉貴の、隠し子だ。押し付けられて困ってんだよ」
例に漏れず、この件については完璧な嘘だ。
それにしても、十二歳だと断言して大丈夫なのだろうかと海音は不安になった。実際は海音は十六歳なのだ。いくら子どもっぽく見えるような身なりをしたとしても、恐らく背は伸びきっているし、どちらかと言えば大人に見られることが多かった海音だ。疑われないか心配して当然だった。
「お前が子どもの面倒か……。本当に大丈夫なのか? その辺の女と結婚して母親やってもらえよ」
面白いネタを仕入れたとばかりにからかう男に、貴志は大げさにため息をついた。そして、破天荒な姉に困らされている正直者の弟という設定の、かなりの名演技で言う。
「姉貴はひでえ女だから、母親なんてもううんざりだろ。こいつ、名前はシナだ。田舎育ちで世間知らずだからよ、なんかあったら頼む」
男はそれを聞いて流石に同情したようで、気まずそうに「おう」と言った。同情がにじみ出た顔のまま作り笑いをして「俺のことは定って呼んでくれ。建築専門の彫刻師。よろしくな、シナ」と海音に声をかけると、貴志に軽く手を挙げて、人ごみの中に消えた。
海音は、貴志の都合のいい嘘に騙されて、すっかり同情してくれている定に申し訳なくなった。ただ正体を隠すための嘘を、そこまで可哀そうな子どもという設定にしなくてもいいのにと思ったが、匿ってくれている貴志にそんなことは言えないので黙っていた。
それにしても、海音の変装と貴志の嘘で、突然現れた十二歳の貴志の姪っ子のことを、誰もが少しも怪しまないことに海音は驚嘆していた。しかし、この町をしばらく見ていれば、よく考えればわかることだったが、それはさして不思議なことでもなかった。
この町にはさまざまな人種や文化が溢れているので、基準や常識というものがそもそも曖昧なのだ。たしかに、「ごちゃまぜ」なりの社会があって、人種が多様であるが上での価値観や常識があるが、普通じゃないなんて考えはここにはほぼ存在しない。人と同じであることにこだわる日本人の間で育った上、金髪と灰色の眼を持って生きていた海音には、普通でないことの生き辛さが染みついてしまっている。この町の人々のおおらかさが妙に思えた。
海音はここの人の反応を見て、自分なりに考えた。人種によって子どもの大きさにもかなりの違いがあるため、「子どもっぽく」してさえいれば、背丈など大した問題ではないのだろう。海音が掛けている妙なゴーグルも、町を行きかう人々の多種多様なファッションと比べれば、目立つような物ではないらしい。そう気づいてからは、かなり気楽な気持ちで町を歩く音が出来た。
「若旦那、お仕事の調子はいかがです?」
よろよろと歩み寄ってきたのは、ローブのような灰色の服を着た老人だ。かなりの高齢のようで、まるで動く石のようだ。
「今、ちょっと私生活が忙しくてな、姉貴の子どもを預かっちまって……」
貴志は咄嗟に答えたが、あまり余裕のない顔をしている。海音は、貴志が一体何の「若旦那」なのか聞きたかったが、今はやめておくことにした。その老人が、今までで一番鋭い目つきで海音を見ていたからだ。海音は、なんとなくこの老人には嘘を見透かされているような気がしてならなかった。貴志も同じように思っているのか、すごすごとその場から逃げだそうとしながら言った。
「田舎から着いたばっかなんで疲れてんだ。失礼しますよ」
不自然に硬い口調が、老人の差すような視線を貴志に戻したので、海音はほっと息をついた。しかし、貴志はうろたえていて、今までのように上手く嘘を付けそうにない。
「全く、大きな仕事があるっていうのに、タイミング悪くて困っちまいますよねー」
貴志は誤魔化すように更にそう言って、逃げるように一歩踏み出した。しかしそこで老人の厳しい口調が背中に刺さった。
「今度の仕事は気合を入れてください。子どもに構ってる暇はないのですから、子守は苦手ですがそちらのお嬢ちゃんは私が預かります」
こんな気難しそうな老人のところに預けられると思うと、海音は考えただけで身震いした。第一、海音が十二歳に変装しているとはいえ、子守を頼まなければならないような年齢ではない。いいように考えれば、この老人も全く疑っていないようだ。
海音が懇願するように見ると、貴志は疑われていないことにほっとしているようで、海音を横目で見ながら力の抜けたような声で言った。
「いや……紫円にでも頼むから」
そしてさっさと歩きだして逃げる貴志を追って、海音も老人の横を無事にすり抜けた。
もう老人の耳に会話が届かないだろうと思ったとき、海音は聞いた。
「若旦那って何?」
すると何故か貴志はすごく嫌そうな顔をした。
「あの爺さんは先代の右腕なの。だから、俺は若旦那。仕事上のことだ。爺さん以外誰も若旦那なんて呼ばないしな」
海音は、貴志が誰かの後を継いで職に就いていることを知って意外に思った。失礼だが、もし日本だったら定職に就けないタイプのように見えたからだ。場所が違えばいろんなことが全く違ってくるものだと海音は悟った。
「鳶崎貴志」
聞き覚えのある声がして、再び貴志が突然立ち止まったが、今度は海音も声に反応して、瞬時に止まっていた。反射的に短くなった髪を撫でつけ、なるべく貴志の背中に隠れるようにして立つ。
貴志の目の前には、今朝の貴志の失敗を生み出した犯人、カメラの少女が立っていた。朝と全く同じ出で立ちで、街中では意味を成さない迷彩柄だ。とりあえず、今はまだカメラを構える用意はしていない。
「お、お前……なんだ?」
貴志は軽くどもりながらぼぞぼぞ言った。何しろ、今一番会いたくないと言ってもいい人物だ。貴志とまだ変装していない海音が一緒にいるところを見た上、海音の写真まで撮っていたのだから、今の海音を見て同一人物だと気づかない可能性は奇跡に近い低さだ。しかし、カメラの少女は今朝のがつがつした態度とは打って変わって落ち着いていて、神妙にさえ見える。
「あの……写真をね……」
慎重に話出したのだが、貴志の顔を見て言いにくそうに顔を歪めている。相変わらず目ざとく、貴志の後ろに海音がいることにははっきりと気づいているようだ。それが、今朝写真に収めた人物だとまで、すぐに気が付いたかどうかは定かではないが、ちらりと貴志の後ろにいる海音に目を走らせて言った。
「売っちゃったんだ。……いい値がついたから」
申し訳なさそうな、言い訳するような歯切れの悪い言い方だった。それを突っ立って聞く貴志は無表情だ。事態を予想していたからなのか、まだ話の全貌が見えないからなのか、朝、写真を撮られたときの焦った様子はない。
「それで、初めて誰だったのか分かったの」
彼女は貴志の反応に戸惑っているようで、おずおずと言った。貴志はマネキンにでもなってしまったかのように、固まったまま一点を見つめている。彼女は取り乱されるよりも不気味に思ったようで、弁解するような口調になった。
「みんなが噂してて、そんな大きな仕事初めてだから、得意になって、今朝撮ったのはきっとその人だって言っちゃったの。でも、あんたと一緒にいたとは言ってないよ」
最後に付け加えた言葉を聞いて、貴志はピクリとも動かないまま、眼だけをじろりと動かして彼女を見た。その様子は、本当は彼女を怖がらせようと、わざとやっているのではと思うほど不気味だ。一瞬のち、3人の横をすり抜けていく人々の声に紛れて聞こえなくなるほど低い声でつぶやくように言った。
「それ本当か?」
「本当だよ。事情はよく知らないけど、あんたのこと困らせるつもりじゃなかったもん」
真剣なまなざしで彼女が言ったことを、貴志は、後ろ半分はろくに聞いていなかった。安堵したように全身で溜息を吐き、大げさに空を仰いで「よかった」と大きな声で言う。
海音は、貴志から聞いたことやこの会話を繋ぎ合わせて、貴志がなぜ安堵しているのかを考えた。写真が誰かの手に渡ってしまったというのに。写真が出回ってしまうことは予想していたので、最悪の事態は免れたということだろうか。
「助かった。お前が人並みに思いやりがあってよかったよ」
安心した貴志が早くも調子づいて彼女をからかったので、真剣に謝っていた彼女は相当腹が立ったようで、片眉をあげて貴志を睨んだ。前髪をカチューシャで全部あげているので、額に筋が浮き出る様子が見え、迫力がある。
「人並み以上の親切心で黙っててあげたんだからね。情報も一緒に売ってあんたを困らせたって別によかったんだ」
貴志は情けなくも、ぎょっとして彼女に頼みこんだ。
「頼むから黙っててくれ。こっちもお前に協力するから」
しかし、それを言った途端に不味いことを言ったと気づくことになる。彼女がすぐに満面の笑みでこう言ったからだ。
「お互い様だしね。早速なんだけど……」
貴志はひきつった笑いで首をふりふり後ずさりしようとしたが、真後ろに海音がいたので動けなかった。
「あんたの専門分野」
彼女は貴志の反応を気にする様子もなく、カメラバックから一枚の写真を取り出して、貴志の鼻先に突きつけた。貴志は、見たくない怖い物を見るような面持ちでその写真を見る。
海音はなんの写真なのか気になって仕方がなかったが、貴志と彼女の取引の結果、今の自分が彼女の目に入ってもいいものかわからなかったので、貴志の背中から出ないようにして写真を盗み見た。
その写真には、5才くらいの愛らしい男の子が映っていた。丸い髪形の色の濃い茶髪に、丸顔で青い目のかなり可愛い子だ。母親が連れて歩けば、誰もが一度は頭を撫でていくような、子どもらしい子だった。
「この子が何? 行方不明か?」
貴志はプロっぽいと言えなくもない、真剣な目つきになっている。
「まあ、そんなとこ。見つけて欲しいの」
貴志はいろいろな事情を聞こうと口を開きかけて、しゃべり出す前に口の動きが止まった。快く引き受けるのかと思いきや、明らかに途中で方向転換した喉の奥から出てきたのは、うんざりしたような言葉だった。
「あのな、人探しってのはいろいろ情報が必要なの。個人的な頼みにしても、ちゃんと事務所に来て依頼してくれ」
海音には危うく貴志が仕事に対して堅実な、有能な人間に見えるところだったが、貴志の次の言動でその幻想は見事に打ち砕かれた。
「あーでも君も知っての通り、今は大変な問題を抱えていて忙しい。予定を確認して連絡するよ……二週間は先になってしまうだろうな」
わざとらしい口調は腹立たしい限りだ。呆れて咎めるような目つきで貴志を見る海音と、彼女に挟まれて焦り、何とか逃げ出そうとかに歩きをした貴志を、身に着けている金属品を掴んで引っ張り戻し、彼女が怒鳴り出したのも無理はないと海音は思った。
「あのね、あんたほどのプロが、幼い子の捜索なのに2週間も待てると思うわけ? 結局逃げようってんだ。最低」
貴志は彼女が本気で怒るなんて思ってもみなかったかのような顔をした。海音の呆れかえった視線を背中に感じながら、大慌てで弁解する。
「あーあー、ほんの冗談じゃねえか。ちゃんと今聞くよ」
カメラの少女の怒りは収まったようだが、依然としてキツい目で貴志を睨んでいる。
「名前はアキ、服装は写真の通り。たぶん誰か大人と一緒に行動していて、この辺りに来ているのは目撃情報でわかってる」
彼女は貴志を睨んだまま早口に説明した。貴志は、本人は真面目そうだと思い込んでいるであろう、眉を潜めて目を見開いた不自然な表情でそれを聞いた。いうまでもなく、真面目に話を聞いているようにはまったく見えない。
海音は、説明を聞きながら、自分もきっとアキというその男の子のように捜索されているのだろうと思って身震いした。違うのは、その男の子はおそらく親の元に返されるだけだが、海音はそうはいかないということだ。核開発競争に巻き込まれ、酷い目に遭うに違いない。
しかし、吐き気を抑えて顔を上げると貴志の変な顔が目に入ったので、心配するのが馬鹿らしく思えて不安な気持ちがふっとんでしまった。
「他の仕事のついでていいから、何か情報が得られたら教えて」
彼女がそう結ぶと、貴志はわざとらしく何度もうなずきながら訊いた。
「なんでお前が探すんだ? 親と知り合いか?」
すると、彼女はしぶしぶと言った様子で説明する。
「今一番大きなヤマの重要な情報源なの。大事な仕事を成功するかどうかのカギなの。あんたの方の秘密も大事な仕事でしょ。だからよろしく」
それだけ言うと、彼女は足早にいなくなった。海音はアキもただの家出ではなく、情報を目的として追われているとわかって、妙な親しみを覚えていた。それから、カメラの少女が結局一度も、貴志の後ろに隠れていた海音について触れなかったことに気が付く。一体どういうことだろうと訝ったが、黙っていてくれると言ったのだから、実際は大した問題ではない。
「まーったく、面倒だな」
貴志は、独り言とも、海音に話しかけたともいえるような調子で言った。それから、少し日が落ちてきて、人が多くなった通りを再び歩きだした。話しかけてくる人を「姪っ子に町を案内するところだ」と言って軽くあしらい、歩いていく。
この広い通りは、わずかに下りながらほぼ真っ直ぐ続いていて、歩いていくうちに微かに潮の香りがする風が吹き始めた。どうやら、海の方に近づいているらしいと思いながら、海音はずっと疑問に思っていたことをとうとう訊いた。
「どこ行くの?」
貴志はまた誰かに声を掛けられて、「姪っ子だ」と投げやりに説明しながら、面倒臭そうに返事をした。
「俺ん家兼、海臨丸支店。荷物を置いて、お前に必要な物を確認しなきゃな」