表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/5

生存チャート、攻略開始

「軍議を始める!」


「おおっコーメイ殿がついにやる気に」


レイアが水を差す。


「そうじゃコーメイはやればできる男じゃからな」


レイアがぬるま湯をぶっかけるように言う。


「ええいうるさいうるさい。今日はマジの奴だから……


我が第八王女陣営は存亡の危機にあります。


フォス様が親族の後援を集めてくださり、ぎりぎり形にはなっているもの、王都襲撃事件の傷が大きすぎます。


このままでは他の候補の前にすりつぶされるだけです!」


「まあ確かにの。第一は言うに及ばず、他の王女たちも後ろ盾や支援勢力が安定しておる。


王都襲撃の被害は我らがほとんど被害を受けたようなものじゃし……」


「そうですこのままでは我が陣営はよくて全員縛り首エンド、悪ければ切り刻まれる拷問エンド」


「エイテ様、エンドとは何ですかね?」


「レイアよ儂にもわからん。コーメイはやはり何処かおかしいのかもしれんの」


「エイテだめよ、私のコーメイ様が一生懸命喋っておられるのですから。


大体あの状況から、私もエイテも助け出すなんて本当に素晴らしいお方なのよ。


私助けられて本当に感謝してるんだから!これで私たちを嵌めたドブカスどもにちゃんとお礼ができることですしね」


「姉上も大概おかしいのじゃ……」


「まあどこの陣営に嵌められたかはともあれ、戦力増強が急務なわけです。


次にしっかり暗殺者が来たら俺が死んじゃいます!」


「急務といっても、急に戦力は生えてこないから困っているのですが……」


「レイア、生えてこないのなら、生えてるとこに行って引っこ抜いてくればいいんだ」


「は?」


「第6第7王女の陣営をつぶします。そしてめぼしい戦力は引き抜きます作戦をここに提案します!!」


---


第6第7王女は双子の王女だ。


しっかり者だが気の弱い姉シークと、高慢で自信過剰金髪でこっぱちの妹セブの二人組。


ゲームでは基本的にセブが敵陣営に食って掛かって逆にやられてしまうみたいな展開が多かった。


一方シークはセブとは反対に慎重に準備を重ねて戦うタイプだ。


時間を掛ければ掛けるほど向こうが有利になるのは必定。


「とはいえ相手も王女じゃ、無策では何ともならんぞ」


「まずは情報が欲しいので、こちらはハンゾーさんに動いてもらっています。」


「通りで煩いじじいがいないと思ったのじゃ」


「あと、こちらの手札を増やす策が二つほど。


一つ目はレイアに王都周辺のアーティファクトを漁ってもらいます。」


まずはダンジョン攻略チャートだ。


「アーティファクト……」


「簡単にいうがの……」


「現状の戦力で対応ができるダンジョンの位置を地図に記しておきました」


「うーむ、どこもダンジョンがあるなどと報告されてない場所ばかりじゃけど……」


「そりゃあ報告済の場所なんてもう盗掘されてるか、クリアできなくて放置されてる難関のとこしかないでしょ」


「それはそうじゃが」


「とりあえずレイアにはこれらの場所行って、このメモの順番通りに進めて欲しい。


無理だったら帰ってくればいい」


「分かりました。それならまあ」


「そして、昨日のうちに護衛兵のなかから目ぼしい人材見つけてきたからそいつらとパーティ組んでいってきて。これは全員分の訓練スケジュールと戦術方針ね」


レイアを入れるパーティで安定しそうな構成にした。後はダンジョンアタックのなかでうまく育ってくれればいい。


「どうしたのじゃ、コーメイ殿、めちゃくちゃ働いておるが、頭でも打ったのかの?」


「そうですよ、コーメイ様いつもヤダヤダって駄々こねてるに」


「いつも働いてたと思いますけどね……ほんとのとこは暗殺されるのがいやなだけですよ」


「おお!暗殺者も余計な事ばかりするもんじゃと思っておったが、案外役に立つもんじゃな」


「そうですねエイテ様!定期的に暗殺に来てもらえればコーメイ様がキリキリ働いてくれますよ」


「もういいよ!レイアは訓練場で、パーティーそろえてさっさと出発しろー!」


そんなコーメイの様子をフォスは、食い入るように見つめていた。


彼の示唆したダンジョンの位置は、彼女が長年諜報に探らせていた内容よりも正確なものだったからだ。


王都襲撃事件の時から感じていた彼の異常なまでの策の精度に、


その一手に至るまでの“省略された思考”を想像して、


彼女は胸を高鳴らせ、体に熱い疼きを感じているのだった—————


「なあ、エイテ様のお姉さま大丈夫か?熱でもあるんじゃないか?クネクネしてるし変だぞ……」


「うーん昔からこんな感じじゃから大丈夫じゃ、多分」


---


まあそれはさておき。


「二つ目の策を発表します。ぱんぱかぱん!」


エイテとフォスから拍手が起きる。


「ゼンニーン殿こちらへ」


我らが陣営に付いてくれた奇特な商人、いや、大博打野郎ことゼンニーンを会議室に招き入れる。


「コーメイ様、お招きいただきありがとうございます。今日は何か重大なお話があるとか」


「ええ、あなたにはこの地図を差し上げます、取り扱いにはご注意いただきたい」


「これは……こんな、貴重なもの大丈夫なんでしょうか」


ゼンニーンの声は震えているが、目は地図を凝視している。


何なら目が血走ってきたぞ。怖い。


「その重要性が分かってもらえて、安心しました。


そこにはこの国各地の名産品特産品の情報が記載してあります。


また特に需要が高い地域や、構築してほしい販路も記載しています。」


そうだ。ダンジョン攻略チャートが作れるなら、商人ルート攻略チャートだって作れる。


「細かい情報が間違っている可能性はありますが、おおむねは大丈夫だと思います。


これによって、あなたにはエイテ様の最大の後ろ盾になっていただく」


ゼンニーンは何かを決意したような顔で、一言だけ「承知いたしました」と告げるのだった。


---


「これで戦力と、資金はフォローできるかと思います。


あとは情報収集のでき次第ですが、基本方針として、双子はセットでいると強いので、


各個撃破していく方針、調虎離山の計でいきます。


まずはセブ様を挑発して孤立させるところからです。


奴が絶対に噛みつく話題があります……


恋は人を盲目にする。王女様でも例外じゃない!」


「……ええ。たしかにコーメイ様しか目に入りませんわ」


「姉上、せっかくコーメイがキリっとしておるのじゃから、いらんこと言わないでほしいのじゃ」


できるかどうかじゃない。やるしかないんだ。これが俺の生存チャートだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ