鬼に金棒~そして伝説へ~
むかしむかしあるところに、ひとりの鬼がおりました。
鬼は鬼でもその鬼は、心やさしい鬼でした。
♢♢♢
ある日、鬼の家にお侍が、鬼退治にやってきました。
鬼は刀を持ったお侍が、こわくてたまりません。
しかたなく鬼は、自分も刀を抜きました。
鬼とお侍は、刀と刀でたたかいます。
でもふたりの強さは同じくらいでしたので、なかなか勝負がつきません。
鬼はお侍に、なぜ鬼退治をするのか、とたずねました。
するとお侍は言いました。
鬼は刀を持っているから、こわいのだと。
それを聞いた心やさしい鬼は、刀を捨てて言いました。
わたしは鬼だが、もう刀を持っていない。
あなたも自分の家に、帰ってくれないか。
するとお侍は言いました。
わたしは侍だが、刀を持たないきみを、退治する理由はない。
きみが刀を捨てるなら、わたしも刀を捨てよう。
そう言って、自分の刀を鬼にわたして、帰っていきました。
鬼がお侍にもらった刀を抜くと、それは金棒に変わりました。
♢♢♢
それからというもの。
金棒を持った心やさしい鬼は、どんな強い相手との勝負にも、負けることがなかったといいます。




