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風呂場
風呂に入っていると、不意に死にたくなる時がある。
普段の暮らしに不満はない。安月給だけどそもそも物欲があまりないから、転職したりしようと思わない。
向上心がない、というよりは、自分には他の仕事ができないという感覚。こだわりとか、自信とかじゃなくて、私は自分のことを信用していない。私は普通の人ができるであろうことがほとんど何もできない。だから他の職に乗り換えるという考えも起きない。
閑話休題。
風呂に入っていると、心地よい温かさと、全身にまとわりつく湯の感触に、身体も頭も茹だってしまう。
そうすると、すうっと、自分の存在が淡くなっていくような錯覚をする。
自分という駄目な部分が多い人間が、どうして生きているのか。何のために働いているのか。何のために生きているのか。そういったものがぼんやりと、ぷかぷかと、湯船に浮かんでいくようで。
湯の中で手首でも切れば、簡単に死ねるのかも。
でも、痛いのはやっぱり嫌だ。
この繰り返し。
そしていつも、のぼせる前に風呂を上がる。




