第6話:紙様の影
次の日、麻呂たちはなでこのアジト――彼女のボロアパートに集まっていた。
壁には蚊やUFOのスケッチが貼られ、ネットのスクショが山積み。
麻呂は感心しつつも呆れる。
「なでこ、お前、どんだけ蚊に取り憑かれてんだよ…」
「黙ってて」
なでこはパソコンを叩きながら、情報を整理。
「紙様は神の使者らしいけど、その神が何なのかは不明。
けど、掲示板の噂じゃ、紙様は人間の文明を『間違った方向』と判断して、滅ぼそうとしてるって」
「神!? マジで!? 俺たち、そんなヤバい奴と戦ってんのか!?」
麻呂が絶叫。世之介はテンガを握りしめ、
「神だろうが何だろうが、俺のテンガパワーでぶっ潰す!」と豪語。
その時、なでこのパソコンに不気味なメッセージが届く。
画面に映し出されたのは、紙様のシルエット。
ペラペラの体に、鋭い目が光る。
「人間どもよ、欲望に溺れた愚かな種よ。我が神の裁きを受け、滅びなさい」
声は冷たく、麻呂の背筋が凍る。
直後、アパートの窓が割れ、超大型の蚊が突入!
これまでの蚊とは桁違いの大きさで、口吻はまるでドリルのようだ。
「ゆさまろ、位置を!」
世之介が叫ぶが、麻呂はメガネ越しに紙様の姿を捉えられない。
「くそっ、紙様のUFOが見えねえ! 隠れてるぞ!」
なでこが叫ぶ。
「私のバイブで援護する!」
彼女はバイブを巨大化させ、世之介に渡す。
だが、超大型蚊の装甲はさらに硬く、バイブの一撃では傷つかない。
「充電が足りない…!」
なでこが焦る中、麻呂が閃く。
「ゆさまろの集中力、試す時だ!」
麻呂はメガネに全神経を集中。
30年間のエロ動画鑑賞で鍛えた視力が、ついに紙様のUFOを捉えた。
「右上、50メートル! 紙様がそこにいる!」
世之介は全力で跳躍、バイブを振り下ろし、UFOを直撃。
超大型蚊も動きを止め、崩れ落ちる。
戦闘後、三人は疲れ果てて床に座り込む。
なでこが呟く。
「紙様…次はもっと強い刺客を送ってくる。私のバイブも、このままじゃ限界が…」
世之介がニヤリ。
「なら、バイブレディ、もっと充電の特訓だな!」
「ふざけんな!」
なでこが顔を真っ赤にし、麻呂は苦笑。
「お前ら…マジで人類の希望かよ…?」
だが、紙様の声が頭に響く。
「人間よ、次は貴様らの欲望を全て喰らい尽くす…」
三人の戦いは、さらなる試練へと突き進む。