表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/13

第13話:欲望の残響

紙様と神の影を倒した遊佐麻呂、筋川世之介、嘉門なでこの三人。


街には少しずつ活気が戻りつつあったが、麻呂のメガネが捉える世界には、まだ微かな歪みが残る。


なでこのアジトで、三人は一息つきながらも警戒を解かない。


「やっと終わったかと思ったけど…なんか嫌な予感がするんだよな」


麻呂はひびの消えたメガネを手に呟く。


30年のエロ動画鑑賞で鍛えた視力は、進化したメガネを通じて何か新しい気配を捉えていた。


世之介はテンガを握り、ニヤリ。


「ゆさまろ、ビビってんじゃねえ! 俺のテンガ魂はまだ燃えてるぜ!」


なでこはパソコンを叩き、ネットの情報を確認。


「紙様は倒したけど、掲示板に妙な噂が流れてる。


『欲望の残響』って呼ばれてる現象…蚊は消えたのに、


人々の欲望が不安定になってるらしい。性欲や生きる気力が暴走してるケースも…」


「暴走!? それ、めっちゃヤバくね!?」


麻呂が叫ぶ。


その時、アジトの外で爆音が響き、窓から紫色の霧が流れ込む。


霧の中から現れたのは、蚊とは異なる新種の敵――「欲望の精霊」とでも呼ぶべき、半透明の幽霊のような存在だ。


そいつは人間の形を模し、目がギラギラと輝いている。


「なんだこれ! 紙様の残党か!?」


世之介がバイブレードを構えるが、精霊は実体を持たず、刃がすり抜ける。


麻呂のメガネが精霊の動きを捉えるが、視界が再び乱れ始める。


「くそっ、また妨害か!? 紙様の仕業じゃねえよな!?」


なでこが叫ぶ。


「これは紙様の欲望エネルギーの残骸! 人間の欲望が暴走して実体化したんだ! 私のバイブで…!」


彼女はバイブを起動し、バイブレードを輝かせるが、精霊は振動にも反応せず、麻呂たちに襲いかかる。


精霊の触手が触れた瞬間、麻呂の頭にエロい幻覚が洪水のように押し寄せ、意識が朦朧とする。


「うわっ、なんだこれ! 30年のエロ魂が…暴走してる!?」


絶体絶命の中、なでこが叫ぶ。


「ゆさまろ、テンガマン、魂を一つに! 欲望を制御するの!」


麻呂はメガネを握り、世之介はテンガを、なでこはバイブを掲げる。


三人の道具が共鳴し、魂刃が再び輝く。


麻呂のメガネが精霊の核を捉え、「そこだ、テンガマン! 精霊の中心!」


世之介が魂刃を振り下ろし、精霊を一刀両断。


紫の霧が晴れ、街に静寂が戻る。


だが、麻呂は息を切らし、「…これ、紙様の残したトラップか? まだ何かありそう…」と呟く。


なでこが頷く。


「欲望の残響は、神の意志の欠片。完全に消すには、もっと深い秘密を解く必要があるかも…」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ