旋律
竪琴から奏でられる旋律は、次第に激しさを増していった。もはや、単なる防御のための音楽ではない。マンドラゴラ・フォレストを圧倒するほどの、攻撃的な旋律へと変化していた。緑色の光が渦巻く中心部へと、音波の刃を突き刺すように、旋律を集中させた。すると、驚くべきことが起きた。緑色の光が、まるで生き物のようにうねり、形を変え始めたのだ。そして、光の中から、巨大な樹木のような姿をした、マンドラゴラ・フォレストの王が現れた。その樹木は、高さ数十メートルはあろうかという巨大さで、無数の蔓と鋭い棘で覆われ、威圧的なオーラを放っていた。 「…愚か者ども… この聖域に… 挑むとは…」王は、低い、重厚な声で言った。その声は、聖域全体に響き渡り、私の鼓膜を震わせるほどの威力を持っていた。 「我々は、賢者の血を求めて来たのだ!」ギルドマスターが、剣を構えながら叫んだ。「邪魔をするならば、我々は戦う!」 王は、ゆっくりと、首を横に振った。「…賢者の血…か… それは、この聖域の意思… 容易に、与えるものではない…」 「ならば、あなたの意思を、私たちに示してください!」私は、竪琴を構えながら答えた。「私たちに、試練を与え、その試練を乗り越えた者だけに、賢者の血を与えてください!」 王は、しばらく沈黙した。そして、ゆっくりと、蔓を揺らした。「…ならば… 試練… 受けてみよ…」 王の言葉と共に、聖域全体が、さらに不気味な雰囲気に包まれた。緑色の光は、これまで以上に激しく渦巻いて、新たなマンドラゴラ・フォレストを次々と生み出していく。しかし、それらは、先ほどよりもはるかに強力で、凶暴な姿をしていた。同時に、王の樹幹から、数え切れないほどの棘が、まるでミサイルのように私達に向かって飛んでくる。これは、単なる戦闘ではない。それは、聖域の意思、そして、この巨大な樹木、マンドラゴラ・フォレストの王との、魂のぶつかり合いだった。 ギルドマスターの剣技と、私の竪琴の旋律が、この聖域を揺るがすほどの、激しい戦いの幕開けを告げた。 この戦いの先に、一体何が待ち受けているのだろうか。そして、賢者の血は、本当に手に入るのだろうか。




