新たな研究
研究で得られた知見は、想像をはるかに超えるものであった。古代魔法文明の技術は、世界を大きく変える可能性を秘めていると同時に、その危険性もまた、計り知れないものだった。 しかし、それはあくまで「文明」の技術。 自然界に存在する、より根源的な魔法の力の解明は、まだ始まったばかりだ。
新たな研究の対象として、私は魔物を選んだ。 この世界には、様々な魔物が存在する。森に潜む小さな妖精から、山脈を揺るがすような巨大な竜まで、その種類は多岐にわたる。 それらの魔物が持つ、独特の魔法の力、そして、それらの生態を解明することで、より本質的な魔法の理解へと辿り着けるのではないかと考えた。
図書館長には、この新たな研究の方向性について相談した。「魔物か…確かに興味深い対象ではある。しかし、危険も伴うだろう。特に、強力な魔物となると、貴殿の再生能力をもってしても、油断は禁物だ。」彼の言葉には、懸念と同時に、期待も込められていた。
私は、まず、図書館に所蔵されている魔物に関する古文書を読み漁った。様々な魔物の生態、魔法の能力、そして、それらと人間との関わりについて、膨大な情報が記されていた。 古文書だけでは不十分だ。 実際に魔物と接触し、観察する必要がある。
早速、冒険者ギルドを訪れ、魔物に関する情報を収集することにした。ギルドの受付にいる若い女性は、私の顔を見て驚き、すぐにギルドマスターを呼んできた。 ギルドマスターは、私のことをよく知っており、快く協力を申し出てくれた。 彼の持つ情報網は、私の研究に大きな助けとなるだろう。
研究は、新たな段階へと進みつつあった。古代魔法文明の研究から得られた知識を基に、魔物の生態や魔法の力を分析し、その本質に迫ろうとしている。 この旅路の果てに、何が待ち受けているのか。 まだ見ぬ真実が、私を呼んでいる。