「時間のかけら」
「時間のかけら」を手に入れた我々は、永遠の氷河を後にし、ギルドの拠点へと急いだ。凍えるような寒さから解放され、暖炉の火の温もりを感じながら、私は入手した時間のかけらを改めて観察する。それは、まるで時間の流れが凝縮されたかのような、不思議な輝きを放っていた。
ギルドマスターは、すでに時空転移装置の組み立てを開始していた。複雑な魔法回路と、幾何学模様が刻まれた結晶体を巧みに組み合わせていく様子は、まるで熟練の職人技のようだった。私も、古代アトランティス語の知識を活かし、設計図を元に作業をサポートする。
数時間後、時空転移装置は完成した。それは、美しいまでに精巧な機械で、見る者を圧倒するほどの力強さを感じさせた。しかし、その輝きからは、どこか不安定さも感じられた。
「これで…完成だな…」ギルドマスターは、装置を眺めながら、ため息をついた。「しかし…この装置を起動させるには、『賢者の血』が必要だったはずだ… まだ、手に入れていない…」
私は、彼の言葉に頷き、「賢者の血の入手には、まだ時間がかかるでしょう。辺境の村までは、かなりの距離があります。そして、賢者の血の入手自体も、容易なことではないはずです」と答えた。
ギルドマスターは、私の言葉に同意するようにうなずいた。「確かに… しかし、ここまで来たのだ。ここで諦めるわけにはいかない。まずは、賢者の血の入手方法を詳しく調べよう。文献を探し、必要な情報を集めなければ…」
私たちは、再び資料の山に囲まれた。古代の文献を紐解き、賢者の血に関する情報を丹念に探っていく。日が暮れ、夜が更けていく。疲労困憊になりながらも、我々は探求を続けた。 夜遅く、ギルドの図書館の一角で、古びた羊皮紙を発見した。それは、賢者の血に関する記述が記された、貴重な資料だった。羊皮紙には、賢者の血を得るためには、特定の儀式を行い、特定の場所で祈りを捧げなければならないことが記されていた。場所の特定には、さらに古い地図が必要なことが判明した。
「…どうやら、この地図が必要みたいだな…」ギルドマスターは、古地図を示しながら言った。「この地図… かなり古いものだ… 場所の特定には、相当な時間と労力がかかるだろう…」
私は、地図をじっと見つめた。この地図を解読し、賢者の血を入手する旅路は、また新たな困難が待ち受けていることを予感させた。しかし、私は、この困難を乗り越え、時空転移装置を起動させる決意を新たにした。この旅の果てに何が待ち受けているのか、今はまだ分からない。だが、私は、この謎を解き明かすまで、決して諦めないだろう。




