永遠
永遠の氷河への道は、想像以上に過酷だった。吹き付ける凍てつく風は、私の不死の肉体にも容赦なく襲いかかり、視界は、舞い上がる雪で白く染められていた。ギルドマスターは、長年の経験を生かし、的確な判断で道を切り開いていく。彼の導きがなければ、この地で迷子になっていただろう。
数日後、ついに我々は、巨大な氷の洞窟を発見した。洞窟の入り口には、不気味なオーラが漂い、まるで何かが潜んでいることを告げているかのようだった。ギルドマスターは、慎重に洞窟の中を調べ始める。私は、彼の後ろに付き従いながら、周囲の状況を注意深く観察する。
洞窟の奥深くへと進むにつれて、寒さは増し、空気は重くなっていった。時折、氷の壁から不気味な音が聞こえ、私たちの緊張を高めていた。やがて、巨大な氷の柱が林立する広大な空間に出た。その中央には、巨大な氷の玉が輝きを放っていた。そして、その玉の近くで、我々は「時を操る竜」と対峙することになる。
竜は、想像をはるかに超える巨大さで、その鱗は、氷のように美しく、冷たく光っていた。その目は、知性と、古の知恵を感じさせる深みを持っていた。竜は、我々を睨みつけているわけでも、襲い掛かってくるわけでもなく、ただ、じっと見つめていた。
沈黙が、この氷の空間を満たす。ギルドマスターは、ゆっくりと、竜に向かって歩み寄る。「…我々は、貴方の『時間のかけら』を必要としている… 我々の目的は、時空転移装置を完成させること… アトランティス文明の謎を解き明かすこと… 決して、貴方を傷つけるつもりはない…」
竜は、ギルドマスターの言葉を理解しているようだった。ゆっくりと、目を閉じ、そして、小さくうめき声をあげる。その声は、悲しみに満ちていた。私は、竜の悲しみの原因を想像する。何百年、いや、もしかしたら何千年もの間、この氷の牢獄に閉じ込められていたのだろうか。
竜の悲しみは、私の心に深く響いた。私は、竜に語りかける。「…貴方は、長く苦しんだのですね… 私たちは、あなたの苦しみを終わらせることはできませんが… せめて、あなたに協力させてください…」
私の言葉に、竜は反応した。ゆっくりと、頭を下げ、その首から、一滴の涙が流れ落ちた。それは、「時間のかけら」だった。ギルドマスターは、それを慎重に採取する。その瞬間、竜の体から、かすかな光が放たれ、そして、消滅していった。
私は、竜の死を悼み、静かに頭を下げた。この地で、私たちは、多くのことを学んだ。そして、新たな悲しみを背負った。だが、我々の旅はまだ終わらない。アトランティス文明の謎を解き明かすための、旅は、まだ続くのだ。




