表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蜜珠の禁書  作者: mutuminn
2部
77/288

時間転移装置

時間転移装置から生まれた裂け目は、みるみるうちに広がり、漆黒の渦を形成していく。その渦からは、異様なエネルギー波動が感じられ、私の身体を震わせる。ギルドマスターは、驚きと恐怖の入り混じった表情で、その光景を見つめている。「これは…一体…?」彼の声は、震えている。


私は、無限本を手に取り、ページをめくり始める。しかし、この状況に関する記述はどこにもない。この事態は、私の予測をはるかに超えている。未知の領域への突入だ。恐怖はあるが、それ以上に、好奇心が私の心を支配する。私は、この謎を解き明かさなければならないという使命感に駆られる。


「ギルドマスター、この裂け目…危険だと分かりますか?」私は尋ねる。


ギルドマスターは、ゆっくりと首を横に振る。「分からない…いや、危険なのは間違いないだろう。しかし…見過ごせるものでもない。この異変の原因、そしてあの裂け目の向こう側…知りたい…というより、知らなければならないのだ。」彼の目は、強い意志で輝いている。


私たちは、しばらく言葉を交わさず、裂け目を凝視する。その深淵からは、何かが這い上がってくるような、不気味な気配が漂っている。


「準備はいいか?」私はギルドマスターに問いかける。彼の答えを待たずに、私はアトランティス文明の竪琴を取り出す。この竪琴は、これまで何度も危機を救ってきた。今回も、きっと役に立つだろう。


竪琴の弦に指を触れると、いつものように宇宙のエネルギーが流れ込んできた。しかし、今回はそのエネルギーが、今までとは違う。より深く、より強く、そして…より不安定だ。裂け目から放たれる異様なエネルギーが、竪琴と共鳴しているようなのだ。


私は、深呼吸をして、竪琴を奏で始める。しかし、今回は、事前に決めた旋律ではない。裂け目から聞こえてくる、不気味なノイズを元に、即興で演奏する。それは、まるで、裂け目と対話しているかのような、不思議な演奏だ。


音色は、不安定で、時に鋭く、時に優しく、変化していく。それは、私の感情、そして裂け目のエネルギーが反映された、混沌とした旋律だ。しかし、その中に、かすかな希望のようなものも感じられる。


ギルドマスターは、私の演奏に聞き入っている。彼の表情は、徐々に穏やかになっていく。恐怖は消え、代わりに、不思議な安らぎが訪れているようだ。


演奏は、まだ終わっていない。裂け目の向こう側、未知の領域との交信は、始まったばかりだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ