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蜜珠の禁書  作者: mutuminn
2部
72/328

呪文

呪文の最後の言葉を唱えた瞬間、祠全体が眩い光に包まれた。あまりの明るさに、目を覆う。耳元では、今まで聞いたことのないような、荘厳で神秘的な音が響き渡る。それは、宇宙の創造を思わせるような、壮大な旋律だった。光が収まり、視界がクリアになると、水晶の球体は、かつてないほど強く輝いていた。そして、球体から、赤い液体が流れ出した。それは、まるで生きているかのように、脈打つように、ゆっくりと、しかし力強く流れていた。 「…これが…賢者の血…」ギルドマスターは、息を呑んで、その光景を見つめていた。赤い液体は、まるで生命そのもののように輝き、圧倒的な存在感を放っていた。 私は、巻物に記された手順に従い、その液体を採取し、特別な容器に保管した。この液体が、時間転移装置を起動させるための、最後の鍵となる。 「これで、準備は整いました」私は、ギルドマスターを見た。「時間転移装置の起動…その成功を祈るばかりです」 ギルドマスターは、頷き、「…そうですね。これまで、私たちは多くの困難を乗り越えてきました。この最後の試練も、必ず乗り越えましょう」 私たちは、祠を後にし、時間転移装置の場所へと向かった。その装置は、この村から離れた、険しい山中に隠されていた。道中、私たちは幾度となく魔物に襲われたが、ギルドマスターの部下たちの活躍もあり、無事に目的地に到着した。時間転移装置は、巨大な石造りの遺跡の中にあった。遺跡は、年月を経たことで荒廃していたが、その中心部には、複雑な機械仕掛けが組み込まれた装置が、まだ稼働可能な状態を保っていた。 「…これが…時間転移装置…」ギルドマスターは、装置をじっと見つめていた。その複雑な構造に、畏怖の念を感じているようだった。 私は、無限本に記された知識を頼りに、時間転移装置の起動手順を確認した。必要な材料はすべて揃っている。ウィルムの涙、古代遺物の一部、そして、今まさに手に入れた賢者の血。私は、各材料を装置の指定された場所に設置し、起動スイッチを押そうとした。その時、異変が起きた。遺跡の奥から、不気味な影が伸びてきた。それは、人間とは思えないような、巨大な影だった。 「…これは…」ギルドマスターは、警戒しながら、影の正体を探ろうとしていた。遺跡の奥底から、何かが動き出している。

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