満月の光
無限本を閉じ、満月の光を浴びながら、私は深く息を吸い込んだ。ギルドマスターの言葉は、私の胸に深く響いている。創世の言葉…宇宙を創造し、維持する壮大な交響曲…その力は、確かに計り知れない。そして、その力は、私自身の不死の力とも深く繋がっていることを、私は感じている。
ギルドマスターは、未だ沈黙を守っている。彼の肩には、これまで私が見てきたどんな時よりも重圧がのしかかっているように見える。彼の沈黙は、単なる沈黙ではない。それは、彼の心の中で、様々な思いが渦巻いていることを示している。
静寂を破ったのは、遠くから聞こえてきた鳥の鳴き声だった。その声は、まるでこの静寂に、新しい物語の始まりを告げているかのようだ。私は、ギルドマスターの方を向いた。
「図書館長と歴史家…彼らの行方は、まだ掴めていません」私が口を開くと、ギルドマスターはゆっくりと首を縦に振った。
「仮面の人物たち…彼らは、アトランティス文明の後裔である可能性が高い。時間転移装置…その存在は、この事件の鍵を握っているかもしれない」彼の言葉には、確信と、同時に深い不安が混じっている。
私は、無限本を再び開いた。ページには、複雑な数式、幾何学模様、そして、音符が書き込まれている。それらは、創世の言葉の楽譜…宇宙の交響曲の一部だ。しかし、その楽譜は、まだ、不完全だ。欠けている部分がある。
「図書館長と歴史家が研究していたもの…それは、もしかしたら、この楽譜の欠けた部分と関係があるのかもしれません」私は呟いた。
ギルドマスターは、ゆっくりと頷き、そして、こう言った。「ミタム…ならば、我々は、再び旅に出なければならない。図書館長と歴史家の足跡を辿り、そして…この楽譜を完成させなければならない」
彼の言葉は、決意に満ちている。それは、もはや単なる研究ではない。それは、この世界、そして宇宙の未来をかけた、壮大な冒険の始まりなのだ。
私は、無限本をしっかりと抱きしめ、ギルドマスターを見据えた。彼の瞳には、これまでとは違う輝きが宿っている。それは、希望の光であり、同時に、未知への畏怖でもある。
私たちは、共に夜空を見上げた。満月の光は、私たちの旅路を照らす灯火となるだろう。そして、その先に待つものは、何なのか…




