羊皮紙の設計図
羊皮紙の設計図をじっと見つめ、私は無限本に記された数式を改めて確認する。複雑な幾何学模様と、まるで楽譜のような記号が入り乱れている。これは、単なる設計図ではない。アトランティス文明が宇宙の法則を理解し、それを応用した技術であることを、私は確信している。 「ギルドマスター…この装置、起動するには『創世の言葉』の一部が必要だと、無限本に記されています」 ギルドマスターは、私の言葉に反応し、ゆっくりと頷いた。「…そうか。あの時、古代神殿で聞いた…あの宇宙の交響曲のことか」 彼の記憶が蘇る。あの神殿で聞いた、宇宙の創造の秘密を語る壮大な楽曲。それは、宇宙のエネルギーと共鳴し、あらゆる奇跡をもたらす力を持つ、究極の魔法だった。しかし、同時に、計り知れない危険も孕んでいた。 「しかし、この楽譜…不完全です」私は指で、羊皮紙の欠けた部分を示す。「必要な音符が、欠けているのです」 無限本には、欠けた楽譜を補完するためのヒントが記されていた。それは、特定の魔物の部位から抽出できる、特別なエネルギー。オークの心臓、ゴブリンの魂、そして…ウィルムの涙。 「ウィルムの涙…」ギルドマスターは眉をひそめた。「伝説の竜の涙…入手は困難だ…」 ウィルムは、この世界最強の魔物の一種。その涙を得るには、ウィルムとの直接対決が避けられない。危険な試みだが、時間転移装置を起動させるためには、この試練を乗り越える必要がある。 私は、無限本を閉じ、ギルドマスターを見た。「ギルドマスター…あなたには、頼りにしています。この旅を、共に進みましょう」 彼の瞳に、迷いは微塵もなかった。 「もちろんだ。蜜珠。私も、この謎を解き明かしたい。そして…図書館長と歴史家を救い出したい」 私たちは、互いに固い視線を交わし、新たな冒険への決意を固めた。ウィルム討伐への旅路。それは、アトランティス文明の謎解き、そして、失われた時間を取り戻すための、危険で、しかし、希望に満ちた旅の始まりだった。




