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蜜珠の禁書  作者: mutuminn
1部
4/200

繁栄そして衰退

老魔法使いに礼を述べ、私は貴重な古書を丁寧に抱え、朽ちかけた塔へと戻った。夕陽は既に沈み、街には夜が訪れていた。塔の最上階にある私の書斎は、無数の書物や研究資料で埋め尽くされている。窓から見える夜空は、満天の星で輝いている。 書斎の大きな机の上に、古書を置いた。その重みは、私の手にしっかりと伝わってくる。表紙には、複雑な模様が刻まれ、何千年もの時を経た歴史を感じさせる。深く息を吸い込み、私は解読を始めた。古代語は、現代語とは全く異なる構造を持ち、理解するのに苦労する。しかし、私は長年の研究で培ってきた知識と、蓬莱人の血脈から受け継いだ直感的な理解力を使って、ゆっくりと文字を解読していく。 一文字、一文字、丹念に読み進めていくと、次第に文章の内容が理解できるようになってきた。それは、古代の魔法文明の繁栄と衰退、そして失われた高度な魔法技術に関する記述だった。驚くべきことに、その技術は、現代の魔法とは全く異なる原理に基づいており、想像を超える可能性を秘めていた。 読み進めるにつれて、私は興奮と同時に、一抹の不安を感じ始めた。この知識は、使い方を間違えれば、世界を滅ぼすほどの力になりかねない。 深夜になっても、私は読み続けていた。古書の記述は、ますます複雑さを増し、まるで、古代の賢者からのメッセージのように感じられた。 その時、突然、古書から微弱な光が放たれた。それは、まるで、古書が私に語りかけているかのようだった。私は、驚きと畏怖の念を抱きながら、光を注視した。その光は、次第に強さを増していき、書斎全体を照らし出した。 一体、何が起きようとしているのだろうか…。私は、息を呑んで、静かにその光を見つめていた。 この古書の解読は、私の人生、いや、二千年の歴史における、新たな転換点となる予感がした。

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