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蜜珠の禁書  作者: mutuminn
2部
33/289

宇宙の図書館

宇宙の図書館を彷徨うような感覚は、未だ続いている。無数の星々が織りなす壮大な宇宙図は、同時に、無限に広がる知識の海でもあった。 その海の中で、私は、一つ一つの星、一つ一つの銀河に意識を向け、その歴史、その文化、その未来を垣間見ることができた。 それは、想像を絶するほどの情報量であり、私の脳裏は、常に新しい知識で満たされていた。 しかし、その膨大な情報の中から、私は、ある一つのパターン、ある一つの法則性を見出した。それは、まるで、宇宙全体を支配する、一つの壮大な楽曲のようだった。 ローブの女性は、私の傍らで静かにその様子を見守っていた。彼女の表情は、驚きと畏敬の念、そして、かすかな不安が混ざり合った複雑なものであった。 「…何か、見つかりましたか?」彼女の優しい声が、静寂を破った。 「ええ」私は、ゆっくりと答えた。「宇宙全体を支配する、一つの…楽曲のようなものを見つけました。それは、創世の言葉の、真の姿かもしれません」 私は、その法則性を、言葉で説明することはできなかった。それは、言葉を超えた、感覚的なものだった。宇宙の調和、星の運行、銀河の回転…それら全てが、一つの旋律として、私の魂に響き渡っていた。 「楽曲…ですか…」ローブの女性は、静かに繰り返した。「それは、一体、どのような楽曲なのでしょうか?」 「それは…説明するのが難しいです。それは、言葉ではなく、感覚で理解するものです。宇宙の調和、星の運行、銀河の回転…それら全てが、一つの壮大な旋律として、響き渡っているのです。そして、その旋律の中に、世界の未来、そして、全ての存在の運命が、織り込まれているように感じます」 私は、その旋律の一部を、彼女に伝えようとした。しかし、言葉では、その美しさ、その複雑さ、そして、その深淵を伝えることはできなかった。 「…それは、制御できるものですか?」彼女の言葉には、わずかな不安が混じっていた。 「…まだ分かりません。しかし、その旋律を理解し、そして、奏でる方法を見つければ、この宇宙の全てを制御できるようになるかもしれません。あるいは…破壊することもできるかもしれません」 私は、宇宙の図書館を彷徨いながら、その壮大な楽曲を、ゆっくりと、注意深く、分析し始めた。それは、長くて困難な旅になりそうだが、私は、その旅に挑む覚悟ができていた。 二千年もの間、私は知識を求め続けてきた。そして、今、私は、宇宙の真実に迫ろうとしていた。その真実に触れることは、私の魂を揺るがすほどの、大きな喜びであり、同時に、大きな危険でもあった。

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