アトランティスの竪琴
私はアトランティスの竪琴を高く掲げ、決意を込めて弦を爪弾く。聖なる旋律が、淀んだ空気を震わせ、瘴気をわずかに押し返す。サクラは私の背後で、詠唱を始める。彼女の魔力が光の粒子となり、私を包み込むように集まってくる。
「創世の言葉」が頭の中に響き渡る。私はその言葉を紡ぎ、旋律に乗せていく。言葉と音色が共鳴し、泉の底から湧き上がるようなエネルギーを感じる。黒く濁った水面が波打ち、苦悶のような音を立てる。
魔物たちが一斉に襲いかかってくる。黒犬の魔物、巨大なムカデ、異形の植物…。そのどれもが、深淵の呪いの影響を受け、異様な姿をしている。サクラは魔法の杖を振るい、炎の壁を作り出す。魔物たちは炎を恐れて立ち止まるが、すぐに乗り越えようとしてくる。
私は竪琴を奏でながら、迫りくる魔物たちに光の刃を放つ。刃は魔物たちの体を切り裂き、浄化の光を浴びせる。しかし、その数はあまりにも多い。私は短剣を抜き、接近戦に備える。
「ミタム、後ろ!」サクラの声が響く。振り返ると、巨大なムカデが私に迫っていた。私は身をかわし、短剣を突き立てる。ムカデの体液が飛び散り、私の服を汚す。しかし、私は怯まず、ムカデの頭を切り落とす。
泉の中心から、巨大な影が現れる。それは、深淵の呪いの残滓が具現化したものだった。黒い瘴気を纏い、禍々しいオーラを放っている。それは、私を見つめ、低い声で囁く。
「貴様は、邪魔者だ…」
私はアトランティスの竪琴を構え直す。この化身を倒さなければ、聖なる泉を浄化することはできない。私は覚悟を決め、旋律を激しくしていく。
「サクラ、力を貸してくれ!」私は叫ぶ。
サクラは頷き、魔法の杖を高く掲げる。彼女の魔力が、私と竪琴に集中していく。そして、私は最後の旋律を奏でる。それは、希望と勇気に満ちた、魂の叫びだった。
竪琴の音色が最高潮に達した時、泉の中から巨大な光が噴き出す。光は深淵の呪いの化身を包み込み、焼き尽くしていく。化身は悲鳴を上げ、黒い瘴気をまき散らす。そして、光が消えた後には、何も残っていなかった。




