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蜜珠の禁書  作者: mutuminn
2部
322/329

静寂に包まれた森

私はサクラと共に、静寂に包まれた森の中を歩き始める。魔狼との激闘の痕跡は、まるで何事もなかったかのように消え去り、ただ木々のざわめきだけが耳に響く。アトランティスの竪琴を手に、周囲を警戒しながら進む。


「ミタム、少し休憩しましょう。あそこの開けた場所で。」サクラが指差すのは、木漏れ日が心地よい小さな広場だ。私は頷き、共にそこへ向かう。


広場に到着すると、私たちは腰を下ろし、持ってきた水を飲む。喉を潤しながら、私は周囲の様子を観察する。特に変わった様子はない。しかし、深淵の呪いの残滓は、目に見えない形で潜んでいるかもしれない。


「この辺りの土壌を調べてみようと思う。」私はそう言うと、アトランティスの竪琴を軽く奏でる。竪琴の音色は土壌に響き渡り、微かな振動が伝わってくる。


すると、土の中から微弱な瘴気が立ち上ってくるのを感じる。瘴気はすぐに消え去るが、確かに深淵の呪いの痕跡が残っていることを示している。


「やはり、ここにも残っているのね。」サクラが心配そうな表情で呟く。私は頷き、水晶の杖を取り出す。杖の先端から放たれる光が、土壌を照らし出す。


「創世の言葉」を唱えながら、杖を土壌に近づけていく。すると、杖から放たれる光が、瘴気を浄化していくのがわかる。徐々に、土壌から立ち上る瘴気が薄れていく。


浄化作業を終え、私は再び竪琴を奏でる。今度は、希望の旋律を奏でる。旋律は広場全体に広がり、木々や草花を優しく包み込む。


すると、広場に小さな変化が現れる。枯れかけていた草花が、再び生気を取り戻し、鮮やかな色を取り戻し始めるのだ。木々の葉も、より緑を増し、生命力に満ち溢れている。


「ミタム、見て! 植物たちが元気を取り戻しているわ!」サクラが嬉しそうに言う。私も微笑み、竪琴を奏でる手を止める。


「深淵の呪いは、生命力を奪う力を持つ。しかし、希望の旋律は、その力を打ち破り、生命力を蘇らせることができる。」私はそう言うと、サクラと共に立ち上がる。


私たちは、再びエメラルドシティへと向かって歩き出す。深淵の呪いの痕跡を浄化し、生命力を取り戻すため、私たちの旅は続く。森の奥深くへと進むにつれて、空気はますます清々しくなり、鳥たちの歌声がより一層大きく響き渡る。

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