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蜜珠の禁書  作者: mutuminn
2部
32/329

宇宙の静寂

宇宙の静寂。それは、言葉では言い表せない、圧倒的な静寂だった。私の意識は、遺物と一体化し、この世界、いや、宇宙全体を、一つの巨大な図書館のように見渡せるようになっていた。星々の輝きは、古代文字のように見え、銀河の渦巻きは、複雑な数式のように思えた。


ローブの女性は、私の傍らに静かに立っていた。彼女の存在は、宇宙の広大さの中では、取るに足らないほど小さく感じられたが、それでも、彼女の存在感は、しっかりと私の意識の中に刻まれていた。


「…これからどうしますか?」彼女の優しい声が、静寂を破った。それは、ささやきのような、しかし、宇宙の果てまで届きそうな、不思議な力を持った声だった。


私は、しばらく言葉を見つけることができなかった。二千年もの間、知識を求めて旅をしてきた私にとって、今、目の前に広がる知識の量は、想像をはるかに超えていた。それは、まるで、無限に広がる図書館の、全ての書物を一度に読むことができるようなものだった。


しかし、知識を得るだけでは、不十分だと、私は感じていた。知識は、力になる。しかし、その力は、使い方を間違えると、破壊的な力になり得る。創世の言葉の力は、想像をはるかに超えるものであり、その力をどのように使うかは、私の責任だった。


「…まずは、この力の使い方を理解する必要がある」私は、ゆっくりと答えた。私の声は、以前より、はるかに深く、そして力強くなっていた。それは、私の声でありながら、同時に、宇宙の声でもあった。


「そうですよね」ローブの女性は、静かに頷いた。「この力は、あなた自身の一部となりました。しかし、それは、制御しなければ、あなた自身をも滅ぼしかねません。まずは、その力を理解し、制御する方法を学ぶ必要があるでしょう。そして…」彼女は言葉を少し詰まらせた。


「そして…この世界の未来を、どうしたいのか、考える必要がある」彼女の言葉は、私の心に深く響いた。二千年もの間、私は、自分のためだけに知識を追い求めていた。しかし、今、私は、この世界の未来を担う存在になっていた。


私は、宇宙を見渡した。無数の星々、そして、その星々を繋ぐ、無数の可能性。その可能性の中に、世界の未来があった。そして、その未来は、私自身の選択によって、大きく変わっていくだろう。


静寂の中、私は、ゆっくりと深呼吸をした。二千年の時を超えて、私は、新たな旅の始まりに立っていた。

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