表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蜜珠の禁書  作者: mutuminn
2部
308/328

短剣

私は短剣を鞘に納め、サクラと共にエメラルドシティへの道を急ぐ。森の静けさが、かえって不気味さを際立たせている。先ほどの黒犬の魔物との戦いで、深淵の呪いの力が予想以上に強まっていることを痛感した。エメラルドシティに戻り、長老エルダーにこの状況を伝え、対策を講じなければならない。


「サクラ、急ごう。何かあってからでは遅い」私は、サクラに声をかける。サクラは、無言で頷き、足取りを速める。私たちは、一言も言葉を発することなく、ひたすら森の中を歩き続ける。やがて、エメラルドシティの城壁が見えてきた。城門は開いており、兵士たちが警戒に立っている。


「ミタム様、サクラ様、おかえりなさいませ」兵士の一人が、私たちに気づき、敬礼する。「エルダー様は、お待ちかねです」私は、兵士に礼を言い、サクラと共に城門をくぐる。城内は、いつもと変わらず賑やかだが、どこか緊張感が漂っている。私たちは、まっすぐにエルダーの屋敷へと向かう。


屋敷の扉を開けると、エルダーが書斎で待っていた。「ミタム、サクラ、よくぞ戻ってきてくれた」エルダーは、私たちを出迎える。「森で、深淵の呪いの影響を受けた魔物と遭遇したと聞いた。詳しく話してくれ」私は、エルダーに、森で起きた出来事をすべて話す。黒犬の魔物のこと、深淵の呪いの力の強まり、そして、短剣のこと。


エルダーは、私の話を聞き終えると、深刻な表情で頷く。「やはり、深淵の呪いは、エメラルドシティにも影響を及ぼし始めているようだ」エルダーは、立ち上がり、書斎の奥へと進む。そして、古びた箱の中から、一冊の書物を取り出す。「これは…」私は、その書物に見覚えがあることに気づく。それは、以前、エルダーから託された、古代文明の記録が記された書物だった。


「この書物には、深淵の呪いに関する記述がある」エルダーは、書物を開き、私たちに見せる。「古代文明の時代にも、深淵の呪いのような災厄が起こり、人々を苦しめたという。そして、その災厄を封じるために、ある儀式が行われたそうだ」エルダーは、書物を読み進める。「その儀式を行うためには、特別な祭具が必要となる…」私は、エルダーの言葉に耳を傾けながら、深淵の呪いとの戦いが、新たな局面を迎えたことを悟る。深淵の呪いを完全に打ち滅ぼすためには、古代の儀式を再現し、その力を利用するしかないのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ