精霊の神殿
精霊の神殿へ向かう道中、森の木々はざわめき、普段は穏やかなはずの精霊たちの気配がどこか落ち着かない。サクラもそれを感じ取っているようで、周囲を警戒しながら歩いている。 「ミタム、何かおかしいわ。森の精霊たちが、いつもよりずっとナーバスになっているみたい。」 私は頷き、「ああ、私もそう感じる。聖なる泉の瘴気が、ここまで影響を及ぼしているのかもしれない。」 私たちは、慎重に歩みを進め、やがて精霊の神殿へとたどり着く。神殿は、巨大な古木の根元に建てられており、その周りは、色とりどりの花々で彩られている。普段ならば、精霊たちの歓迎を受けるはずだが、今日は、静寂に包まれている。 神殿の入り口に立つと、扉が開かれ、一人の老エルフが現れる。彼は、精霊たちの長老であり、森の守護者でもある。 「ミタムよ、よく来たな。お前たちが来ることは、予見していた。」 長老は、厳しい表情で私たちを見つめる。「聖なる泉の異変は、森全体に影響を及ぼしている。このままでは、エメラルドシティだけでなく、森も滅びてしまうだろう。」 私は、長老に事情を説明する。「長老、私たちは、聖なる泉を汚染している水晶の欠片を浄化するために、ここへ来ました。どうか、お力をお貸しいただけないでしょうか?」 長老は、少し考え込む。「水晶の欠片か…それは、深淵の呪いの残滓が凝縮されたものかもしれない。浄化するには、並大抵の力では難しいだろう。」 彼は、杖を地面に突き、目を閉じる。すると、神殿全体が光に包まれ、精霊たちのエネルギーが溢れ出す。 「わかった。お前たちに、試練を与える。もし、その試練を乗り越えることができれば、水晶の欠片を浄化する力を授けよう。」 私は、決意を込めて頷く。「どのような試練でしょうか?」 長老は、静かに答える。「試練は三つ。一つは、『知識の試練』。古代の知識を試す。一つは、『勇気の試練』。己の勇気を試す。そして、最後は、『慈悲の試練』。他者を思いやる心を試す。」 私は、サクラと顔を見合わせる。三つの試練は、それぞれが困難であり、生半可な気持ちでは乗り越えられないだろう。しかし、エメラルドシティと森を救うためには、どんな困難にも立ち向かわなければならない。 「長老、試練を受けさせていただきます。」私の言葉に、サクラも力強く頷く。




