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蜜珠の禁書  作者: mutuminn
2部
288/290

古木の前

私はサクラと共に、古木の前に立つ。古木の周囲には、聖なる泉の水を入れた瓶、精霊の涙を湛えた小瓶、そして希望の種が置かれている。私は深く息を吸い込み、アトランティスの竪琴を構える。サクラは、私の背後で静かに祈りを捧げている。


儀式は、まずアトランティスの竪琴の音色から始まる。私は、古木の痛みに寄り添うように、優しく、そして力強い旋律を奏でる。竪琴の音色は、森全体に響き渡り、枯れかけた木々や草花に、かすかな希望の光を灯すかのようだ。


次に、聖なる泉の水を古木の根元に注ぐ。水は、黒く変色した根を洗い清め、微かに光を帯び始める。私は、「創世の言葉」を唱え、水に込められた浄化の力を高める。言葉は、古木の内部に染み渡り、瘴気を少しずつ洗い流していく。


続いて、精霊の涙を古木の幹に塗り込む。涙は、古木の傷を癒し、失われた生命力を取り戻すかのようだ。私は、精霊たちに感謝の祈りを捧げ、その力を借りる。精霊たちは、私の呼びかけに応え、古木に微かなエネルギーを分け与えてくれる。


最後に、希望の種を古木の周囲に蒔く。種は、土に根を張り、新たな生命の息吹をもたらすかのようだ。私は、種に希望の光を注ぎ込み、その成長を願う。種は、私の想いに応え、微かに輝き始める。


儀式が進むにつれて、古木の状態は少しずつ改善されていく。黒く変色した部分は薄くなり、枯れかけていた枝には、かすかに緑が戻り始める。私は、古木の変化を感じながら、竪琴の音色をさらに高め、「創世の言葉」を力強く唱える。


しかし、その時、異変が起こる。古木の内部から、黒い瘴気が噴き出し、周囲の空気を汚染し始める。瘴気は、まるで生き物のように蠢き、私たちを襲いかかろうとする。私は、とっさにアトランティスの竪琴を構え、聖なる旋律を奏でる。


竪琴の音色は、瘴気を打ち払い、私たちを守る盾となる。私は、瘴気の勢いに負けじと、さらに力強く旋律を奏でる。サクラも、私を援護するように、魔法の力を発動させる。


瘴気との戦いは、激しさを増していく。瘴気は、私たちの精神を蝕み、恐怖と絶望を植え付けようとする。私は、「創世の言葉」を唱え、自身の心を強く保つ。サクラも、強い意志を持ち、瘴気の攻撃に耐え忍ぶ。


戦いの末、ついに、瘴気の勢いは衰え始める。私は、最後の力を振り絞り、アトランティスの竪琴を奏でる。竪琴の音色は、天まで届き、古木に希望の光を降り注ぐ。


古木は、光に包まれ、黒い瘴気を完全に浄化する。古木は、再び生命力を取り戻し、緑豊かな姿を取り戻す。私は、安堵の息を吐き、サクラと喜びを分かち合う。森の精霊たちの声も、以前よりも力強く響き渡り、私たちを祝福してくれる。私は、古木の再生を見届け、エメラルドシティへと帰る決意を新たにする。

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