魔物
私はサクラと共に、魔物を倒した場所から再び歩き出す。博物館は目の前だが、警戒を怠らない。水晶の杖を手に、周囲の気配を探る。空気は相変わらず重く、不穏な雰囲気が漂っている。
丘の頂上に近づくにつれ、博物館の全貌が見えてくる。それは、古びた石造りの建物で、蔦が絡みつき、長い年月を経たことを物語っている。入り口は固く閉ざされており、人気はない。
「ここが、エメラルドシティの博物館か……」私は呟く。
サクラが頷く。「静かすぎるわね。本当に人がいるのかしら?」
私は水晶の杖を使い、博物館の内部を透視しようと試みる。しかし、杖の力は遮られ、内部の様子を窺い知ることはできない。何らかの結界が張られているようだ。
「結界があるみたいだ。簡単には入れないな」
サクラが短剣を構える。「力ずくで突破するしかないかしら?」
「いや、待て」私は言う。「強引に突破すれば、何が起こるかわからない。まずは、入り口を調べてみよう」
私達は博物館の入り口に近づき、扉を詳しく調べる。扉は頑丈な木製で、表面には複雑な模様が刻まれている。鍵穴は見当たらず、開ける方法は不明だ。
「この模様、どこかで見たことがあるような……」私は呟く。
サクラが私の顔を覗き込む。「何か心当たりがあるの?」
「ああ」私は答える。「古代文明の遺跡で見た紋様に似ている。もしかしたら、この扉を開けるための秘密が隠されているのかもしれない」
私は「無限本」を取り出し、古代文明に関する記述を探す。ページを繰るうちに、扉に刻まれた紋様と酷似した図案が見つかる。図案には、扉を開けるための呪文が記されていた。
「これだ!」私は興奮して叫ぶ。「この呪文を唱えれば、扉が開くはずだ」
私は書物に書かれた呪文を読み上げる。すると、扉が静かに振動し始め、やがて、重々しい音を立ててゆっくりと開いていく。
扉の奥には、暗い廊下が続いている。廊下の両側には、埃を被った展示ケースが並び、古代の遺物が展示されている。誰もいないはずの博物館の中に、確かに何かの気配を感じる。私はサクラと共に、博物館の中へと足を踏み入れる。




