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蜜珠の禁書  作者: mutuminn
2部
229/250

聖域の奥

聖域の奥深くへ進むにつれて、空気はさらに神聖さを増していく。木々のざわめきも、鳥のさえずりも、すべてが静寂の中に溶け込み、ただ精霊の優しい光だけが、私とユニコーンの行く道を照らしている。


やがて、私たちは古代の祭壇の前にたどり着く。それは、年月を経た苔に覆われた巨大な石でできており、表面には見たこともない象形文字が刻まれている。祭壇の中央には、眩い光を放つ聖なる石が安置されている。その光は、まるで生きているかのように脈打ち、周囲の空間に温かいエネルギーを広げている。


精霊は祭壇の前で立ち止まり、私に静かに告げる。「創造主よ、この聖なる石は、あなたの持つ創造の力と共鳴し、歪みを浄化する力を増幅させます。石に触れ、あなたの意志を集中させてください。そうすれば、石はあなたの導きに従い、世界から歪みを消し去るでしょう。」


私は、精霊の言葉に従い、祭壇に近づく。聖なる石から放たれる光は、私の肌を優しく撫で、内なる力を呼び覚ます。私はゆっくりと手を伸ばし、石に触れる。


その瞬間、私の意識は広大な宇宙へと飛び出す。無数の星々が輝き、銀河が渦巻く光景が、私の目の前に広がる。私は、宇宙の鼓動を感じ、すべての生命の源である創造のエネルギーを体験する。


やがて、意識は再び私の体へと戻ってくる。私は、聖なる石から途方もない力が湧き上がってくるのを感じる。その力は、私の体の中を駆け巡り、アトランティスの竪琴、古代文字が刻まれた石板、星の砂、水晶の杖、そして希望の種へと流れ込んでいく。


私は、アトランティスの竪琴を手に取り、静かに旋律を奏で始める。竪琴の音色は、聖なる石の光と共鳴し、歪みを浄化する波動を放ち始める。波動は、精霊たちの聖域全体に広がり、大地を、木々を、そしてすべての生命を包み込む。


私は、希望の種を空へと掲げ、心の中で強く願う。「この世界に、再び希望が芽生え、歪みが完全に消え去りますように。」


すると、希望の種から光が溢れ出し、無数の小さな種子が聖域全体に舞い散る。種子は、大地に根を張り、瞬く間に芽を出し、成長し、美しい花を咲かせる。花々は、甘い香りを放ち、聖域を楽園へと変えていく。


私は、アトランティスの竪琴の旋律をさらに力強く奏で、聖なる石の力と希望の種の花々によって、歪みの残滓を浄化していく。浄化が進むにつれて、聖域の空気はさらに清らかになり、生命のエネルギーが満ち溢れていく。


精霊は、私に微笑みかける。「創造主よ、あなたは、この世界の歪みを浄化し、希望を取り戻しました。あなたの力は、この世界をさらに発展させ、より良い未来を創造するでしょう。」


私は、精霊の言葉に感謝し、聖なる石から手を離す。私の体は、創造主としての力と、歪みを浄化する力で満たされている。私は、ユニコーンと共に、精霊たちの聖域を後にする。新たな力が、私の冒険をどのように導いてくれるのだろうか。

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