向こう
扉の向こうに広がっていたのは、図書館という概念を超越した空間だった。そこは、まるで星空をそのまま切り取ってきたかのような、無限に広がる宇宙空間だった。無数の星々が、まるで宝石のように輝き、天の川が、光の帯となって空間を彩っている。足元には、まるで鏡のように滑らかな、星影を映し出す床が広がっている。
私は、その光景に息を呑む。ここは一体どこなのだろうか?図書館の奥に、こんなにも壮大な空間が広がっているとは、想像もしていなかった。
空間には、奇妙な浮遊物が点在している。それは、巨大な水晶の塊であったり、古代文明の遺物のようなものであったり、あるいは、巨大な植物の種子のようであったりする。それぞれの浮遊物は、微かな光を放ち、空間全体を幻想的に照らし出している。
ふと、目の前に、一人の人影が現れる。それは、長いローブを身にまとった、老人の姿をしていた。老人は、穏やかな笑みを浮かべ、私に近づいてくる。「よくぞ、ここまでたどり着いたな、星の言葉を操る者よ」
老人は、ゆっくりと口を開く。「私は、この星詠みの図書館の管理者だ。お主は、宇宙の記憶に触れ、星の力を得た。その力は、宇宙の調和を守るために、必要不可欠なものとなるだろう」
私は、老人の言葉に耳を傾ける。この老人が、この図書館の管理者であるならば、彼は、私がこれから何をすべきかを知っているはずだ。「私は、これから何をすれば良いのでしょうか?宇宙の調和を守るために、私にできることは何ですか?」
老人は、静かに頷く。「お主は、創世の言葉の力を理解し、使いこなすことができる。その力で、宇宙に開いた闇の裂け目を修復するのだ」
闇の裂け目?私は、老人の言葉の意味を理解しようと努める。宇宙に、闇の裂け目が開いているとは、一体どういうことなのだろうか?「闇の裂け目とは、一体何なのですか?」
老人は、遠い目をして、ゆっくりと語り始める。「それは、宇宙のバランスを崩す、あらゆる負のエネルギーが集まった場所だ。放置すれば、宇宙全体を飲み込み、消滅させてしまうだろう」老人の言葉には、深い悲しみと、強い決意が込められている。
私は、自分の使命を理解する。私は、創世の言葉の力で、その闇の裂け目を修復しなければならないのだ。私は、老人に力強く頷く。「私に、その方法を教えてください」