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蜜珠の禁書  作者: mutuminn
2部
162/255

風の都

風の都を後にして、私は再び広大な世界へと足を踏み入れる。風の都で手に入れた古代の書物を携え、新たな知識への渇望を胸に、私は未知なる場所を目指す。書物には、風の精霊との交流を通じて得られる、更なる魔法の力や、古代文明の秘密が隠されている可能性が示唆されている。


風の都の周辺には、まだ見ぬ土地が広がっている。険しい山々、深い森、そして広大な砂漠。書物の記述を参考に、私はまず、風の精霊との繋がりが強いとされる、古代の風の神殿を目指すことにする。神殿は、風の都から見て北の方角、長く険しい山脈の奥深くに位置しているらしい。


旅の途中、私は様々な困難に直面する。凶暴な魔物、予測不能な天候、そして、人里離れた場所での孤独。しかし、私は決して諦めない。風の都で得た経験と知識、そして、何よりも、自身の探求心を糧に、困難を乗り越えていく。


ある日、私は、深い森の中で、一人の老狩人と出会った。老狩人は、森の奥深くに住み、長年、魔物と戦いながら生きてきたという。私は、老狩人に、風の神殿への道について尋ねてみた。


「風の神殿か? あそこは、昔は聖域だったが、今は、魔物の巣窟になっている。特に、風を操る魔物、風魔が棲み着いてからは、誰も近づかなくなった」 老狩人は、そう答えた。


風魔。風の都でもその名を聞いたことがある。風の力を操り、人々を苦しめる悪しき存在。風魔が棲み着いているとなると、風の神殿への道のりは、さらに危険になるだろう。


それでも、私は、風の神殿を目指すことを決意する。風魔を倒し、神殿に眠る古代の知識を手に入れることができれば、私の探求は、大きく前進するはずだ。


「老狩人さん、風魔について、何か知っていることはありますか?」 私は、老狩人に尋ねた。


老狩人は、少し考え込んだ後、答えた。「風魔は、風の力を操るだけでなく、幻術も使うらしい。姿を隠したり、幻を見せたりして、人々を惑わせる。注意するんだな」


老狩人の助言を胸に、私は、風の神殿へと続く、森の奥へと進んでいく。森の中は、昼間でも薄暗く、不気味な雰囲気が漂っている。風の音だけが、静かに木々を揺らしている。


私は、風の精霊の貝殻を取り出し、風の精霊に語りかける。「風の精霊よ、私に力を貸してください。風魔を倒し、神殿に眠る知識を手に入れるために」


すると、風の精霊の貝殻が、微かに輝き始めた。そして、私の耳に、風の精霊の声が聞こえてきた。「恐れるな、汝の勇気を信じよ。我は、汝に力を貸そう」


風の精霊の力を感じながら、私は、風魔が潜む、風の神殿へと、一歩ずつ近づいていく。

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