不協和音
水晶玉からの不協和音は、私の奏でる旋律に押されながらも、しぶとく抵抗し続けている。激しいエネルギーの奔流は、楽園の空を彩る虹を歪ませ、大地を震わせる。私の額には汗が滲み、指先は痺れを感じ始める。それでも、私は演奏を止めない。宇宙の交響曲と、アトランティス文明の影の不協和音、その両方を理解し、制御するために、私は全ての力を注ぎ込んでいる。
竪琴の弦は、まるで生きているかのように、私の指先に応えて震える。それぞれの弦は、宇宙の異なるエネルギー、異なる法則を象徴しているように感じられる。私は、それぞれの弦の振動を、繊細に、そして力強く制御しながら、旋律を紡いでいく。それは、もはや単なる演奏ではない。宇宙の創造と破壊、秩序と混沌の壮大な物語を、私が自ら奏でているのだ。
演奏は、ピークに達しつつある。私の全身から、光が放たれ始める。それは、竪琴から発せられるエネルギーと、私の不死の力が共鳴している証だ。楽園の植物は、再び輝きを取り戻し始め、空には、美しい虹が架かる。大地の揺れも、徐々に弱まっていく。
しかし、突然、水晶玉の中心部から、鋭い光が放たれた。それは、私の演奏を妨害するような、不吉なエネルギーだった。同時に、低く、重苦しい声が、私の心に響き渡る。
「……面白い…実に面白い演奏だ。だが、それで終わると思うな。」
その声は、どこからともなく聞こえてくる。それは、アトランティス文明の影、その頂点にいる存在の声だと、直感的に理解する。私は、演奏を続けながら、その声の主を探し始める。楽園のどこかに、その存在が潜んでいるはずだ。
「貴様は一体…!」図書館長は、杖を構え、警戒している。「ミタムさん、気を付けてください!」
歴史家は、メモ帳を開き、何かを必死に書き留めている。どうやら、その声、その存在について、何か手がかりを見つけようとしているようだ。
私は、竪琴の演奏を続けながら、ゆっくりと、しかし確実に、その声の源を探っていく。この楽園、この鏡の世界、そしてその中心にある水晶玉…全てが、アトランティス文明の影の企みと、深く関わっている。その企みを阻止し、この世界を救うために、私は演奏を続け、その声の主と対峙する覚悟を決めている。
私の演奏は、さらに力強さを増し、宇宙の交響曲と一体となり、楽園全体を包み込む。この演奏こそが、私の答えであり、私の意志だ。




