結婚式
いよいよ今話でラストとなります。長々とお付き合い下さりましてありがとうございました!では、最後までどうぞ↓(*ˊᵕˋ )⁾⁾コクコク
結婚式は急ピッチで進められた。
自国の王族の結婚式と他国それも元敵国の結婚式を連日で開催するという前代未聞の結婚式は、周辺国でもウワサになっているらしい。他国には大々的な知らせをしていないにも関わらず、贈り物などが続々と届いていた。
これまでコーザヌを恐ろしいもののように考えていた他国の人族も徐々に考え方を変えてきていた。コーザヌの住む土地は資源の宝庫でもある。彼らと仲良くしたいという考えがあるのだろう。
(我がインデル王国が他国との関係も調整していかねばな)
リュールはこれからもやるべきことはたくさんあるなと、気が引き締まる。
結婚式にはスタルも出席する予定になっていたが、早めに戻ってくるように伝えていたにもかかわらず、スタルはなかなか戻って来ない。とうとう結婚式が明日だというタイミングになって、やっとスタルは王都に帰って来た。
「スタル、何をしていた?」
「申し訳ございません。騎馬兵の訓練に没頭するあまり、戻るのが遅くなってしまいました」
「お前の妹の晴れの舞台でもあるぞ」
「申し訳ございません」
「それで、兵は使えるようになったのか?」
「もちろんです」
「ギリギリに到着したのだ。使えるようになっていなければ許さなかった。 とにかく、こういう時は速やかに戻ってこい。次は許さん」
「はっ」
スタルは首を垂れた。リュールは怒っているように見せてはいたが、心の中では満足していた。騎馬兵を強化することは何も戦いだけに応用されることではない。
「エバに会うといい。だが、まず汚れを落とせ」
「はい」
スタルは埃まみれのままやって来ていた。普通ならば戦時中でもない限り、汚れたままでリュールの前に出ることは許されないが、スタルには許していた。
リュールはエバの元に行くと、スタルが戻って来たことを伝える。スタルは風呂からすぐに上がって来るだろうと思ってエバと話をしていたが、スタルはなかなか戻って来なかった。
しびれを切らしてスタルの様子を見に行かせれば、何と、風呂でイゴルにつかまっていたようだ。やっとエバの元にやって来ることができたと思ったらリュールもいたので、スタルは驚いて土下座しようとした。
「おい、やめろ。土下座するなら王都に戻って来た時にするべきだろ」
「すみません、殿下もお待ちになっているとは思わず、イゴル殿と話し込んでしまいました……」
「お前が戻って来たのを知って、イゴルが浴場まで押し掛けたそうだな。アイツらしい」
「殿下はイゴル殿と随分と仲良くなられたようですね」
「まあな。 それより、明日の結婚式が済めばエバは正式に我が妃となる。妃となれば、お前でもエバに簡単に会うのは難しくなるかもしれないな」
「心得ています」
「お兄様.......」
エバが少し悲しそうな顔をしたので、リュールは急いで付け加えた。
「だが、お前には妹に見合った位を与えるつもりだ。もちろん、お前の活躍があるからこそやるのだ。お前は辺境伯となり、国境の治安を担当しろ。そして、3ヶ月に1回は王都に報告に直接やって来るんだ」
「ありがたき幸せです!」
リュールの言葉にエバは感激して涙ぐんだ。スタルも鼻をすすっている。リュールは気恥ずかしくなった。
「さあ、明日は忙しい。僕も準備に忙しい。また夕食時にな」
兄妹を残し、リュールは引き上げた。
(僕には人の運命を変える権限がある。心せねばな)
自室に戻りながらそんなことを考えていたのだった。
................いよいよリュールとエバの結婚式の日を迎えた。
多くの貴族が集い、皆が注目する中、エバがバージンロードを父親にエスコートされ入って来る。
神父の前にやってくると誓いの言葉を述べ、キスをした。人々に見送られて教会を出ると、イゴルがいて号泣していた。
「何で、お前が泣くんだ」
「めでたいからだろ!」
「やめろ、何だか僕まで泣きたくなる」
「じゃあ、泣けよ!」
「泣くか!皆が見ている」
そんなやりとりをしながら国民の前でエバと夫婦になったことを宣言すると、歓声が起きた。エバを引き寄せてキスしたら、より歓声が大きくなる。リュールは皆に祝福されて幸せを噛み締めたのだった。
宴は夜遅くまで続いた。イゴルを見れば、明日はイゴルの結婚式なのに酒を飲んではしゃいでいる。馬鹿みたいに大声で笑って飲んでいるのでそろそろ止めようと声をかけた。
「お前、はしゃぎすぎだぞ。明日はお前が結婚式だろ」
「めでたいからはしゃいでいた。確かに明日はオレの結婚式だ」
「もう休めよ。リートは既に休んでいるんだろ? 明日、失敗したらリートが悲しむぞ」
そう言うと、イゴルはすぐにスクッと席を立つ。
「オレは明日のために寝る!じゃあ、皆、明日な!」
(お前の城じゃないぞ)
リュールは心の中で突っ込んだ。
イゴルは自分の部屋へとズンズンと戻って行ったのだった。
...........翌日、祝い事が続いているのもあり、国民達は大いに盛り上がっていた。神父の前で誓いをしてイゴルとリートがキスをするとイゴルが顔を真っ赤にさせたので、リュールは笑いをこらえるのに必死だった。
挙式を終えた後、教会を出て来たイゴル達を待ち構えて祝福のバラの花びらを投げかけると、イゴルが文句を言ってくる。
「お前、オレがリートにキスした時、笑っていただろう。オレには分かった!」
「お前があまりにも緊張しているからおかしくなった。声は出さなかっただろ」
「確かに。...........しかし、お前は何故、泣かん?オレが結婚したんだぞ?親友が結婚して感動しないのか?」
「感動している。何となく、お前に娘をやる気分になるのは何故だろうな」
「それは、お前がオレを近い存在だと思っているからだろう」
「そうかもな」
ガッチリと握手して抱き合うと、歓声が上がった。
(とうとう僕はイゴルの中で、“親友”にまで昇格したらしい)
立場上、リュールが親友と呼べる友を得るのは難しかったから、嬉し恥ずかしい気持ちになった。
「イゴルも民の前でキスして見せろ」
「じゃ、お前ももう一度しろよ」
「え、僕らももう一度、皆の前でキスするのか?」
「民が祝福してくれるのだからいいだろう?」
「まあ.....」
イゴルとリュールは互いに妻を自分の側に引き寄せると、国民の前でキスをする。これまでにないほどの大歓声が上がった。
移民族であるイゴルとこうして肩を並べて祝える仲になったというのは、とても大きな出来事である。価値観が違うだけに一度争えば激しいものになるかもしれない。だが、この平和な時が長く続けば良いなとリュールは思ったのだった。
最後まで読了ありがとうございました!感謝感激です!
≪皆さまへのお願い≫
作品が“気になる&いいな”と思われましたら最後にぜひぜひ【ブックマーク&評価&いいね】をお願いします(*ˊᵕˋ )⁾⁾コクコク
(広告下にあります☆☆☆☆☆が★★★★★なったら感涙!モチベーション爆up!❣️୧(⑅˃ᗜ˂⑅)୨皆さまに支えられております)




