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ブーツ兄妹の忠誠

城にエバを連れ帰ったリュールは、スタルを自分の元に呼んだ。


スタルが呼ばれてリュールの執務室に行くと、牢にいるはずのエバが目の前にいて驚いた。


「エバ!」

「お兄様!」


体格の良いスタルがエバを抱きしめると、エバはすっぽり包まれてしまう。濃茶の髪色がとても似ていてやはり兄妹は似るものだなと、リュールは感じた。


「殿下、妹を助けて頂きました御恩をどう返したら良いか……!」

「彼女の容疑は完全に晴れたわけではない。スタル、今日からお前がエバの監督をしろ。部屋を城に用意させる」

「し、承知しました」


リュールはさっそく城の一角にスタルとエバの部屋を急ぎ整えさせると、エバとスタルを下がらせた。


(強引にエバを城に連れ帰って来てしまった。……だが、調査はやりやすくなるだろう)


リュールは正式にブーツ子爵家の調査を命じた。金の動きが無いと証明できれば彼女の身の潔白はしやすくなる。


(まずは、エバが犯人ではないことを証明することからだ)


「おいメント、エバとよく街に買い物にいくメイドについて詳しく調べろ。あと、ジュリエルの体調がここのところ良くないようだ。王宮付の医者を近いうちにやれ」


側にいたメントと言う従者に指示をすると、リュールは用意された茶を飲んで一息ついた。


(茶と言えば……なぜマレル様だけが倒れたのだろうか?共に茶を飲んでいたジュリエルは無事だった。ティーカップからは何も出ていないと聞いている。なのに、なぜマレル様は毒物を摂取することになるんだ?)


一緒に出されていた菓子にも怪しいところはなかったと報告されている。リュールは頭を悩ませた。


...........その頃、エバとスタルは城に与えられた部屋の豪華さに驚いていた。部屋は隣同士の2部屋で、エバの部屋にはきちんと調度品まで整えられていて毒殺の容疑者が使う部屋とは思えない。スタルの部屋も同様にきちんとしたものだった。


部屋にはフカフカとしたベッドのほかに、テーブルやイス、衣装クローゼットなども揃えられ、エバのクローゼットにはシンプルではあるがドレスまで用意されていた。


「お兄様、これは一体……」

「……殿下はオレに随分と期待をされているらしい」

「お兄様がこんなにも期待されているのに、私が毒殺未遂事件に巻き込まれてしまってごめんなさい」

「謝る必要などない。殿下はオレと同じくお前が犯人ではないと確信しているからこそ、このような良い環境を与えて下さったのだ。オレは一生あの方について行くぞ」

「私も何かのお役に立ちたいです」

「お前は、まずは休んだ方がいい。牢の中は冷たくて寒かっただろう」

「はい……」


牢のある地下は冷気が漂い、とても冷えた。エバの指先は冷えのために赤くなり腫れてしまっていた。スタルがエバの赤くなった指先を握って温めていると、官女がやって来た。


「エバ様、お風呂の用意をさせて頂きます。しっかりと身体を温めましょうね」

「え、入浴の用意までして頂けるのですか!?」

「殿下のお心遣いです。感謝なさるように」

「は、はい!」

「さあさあ、スタル様はお隣の部屋に行ってくださいませ」

「あ、ああ......妹を宜しく頼みます」


スタルは、自分達がどのような立場で扱われているのか分からなくなり混乱する。あくまで自分は単なる将校であり、大勢の兵の中では小者に過ぎない。エバだって様と呼ばれるほど身分の高い娘ではない。ただただ困惑していた。


(リュール様はオレに期待をしていると言われたが、ここまでして頂けるのはなぜだろうか........)


スタルは混乱しつつも、リュールに心から忠誠を誓った。


...............その頃、リュールはくしゃみをしていた。


「誰かが僕のウワサでもしているか?」


もしかしたら今頃、ブーツ兄妹が自分のことを話しているのかもしれないと、リュールは思った。


(城に部屋を用意させたのはやりすぎたか? いや、あの程度の部屋だし大丈夫だろう)


リュールは貧しい思いをしたことがなかったので、2人が部屋の豪華さに感激しているとはつゆにも思っていなかった。


一目惚れしたエバが少しでも心地よく過ごせれば良いと、リュールは思っていたのだった。

リュールは、エバに健康的な生活を送って欲しくてスタルも一緒に巻き込んでいます(-ω-;)


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※投稿は毎日朝9時過ぎです。引き続きご高覧頂けるとウレシイです٩(*´꒳`*)۶

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