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毒殺容疑で牢に入れられたメイド、唯一の味方は王子様──戦乱の果てに妃として迎えられました  作者: 大井町 鶴
◆第四章 コーザヌとの和平

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舞踏会開催

舞踏会はイゴル達の滞在期間に合わせて急ピッチで進められた。


「提案から1週間後に舞踏会を開くなんてとんでもない事態ですよ」


メントがブツブツ言っている。


「ご苦労だった。イゴルは舞踏会の雰囲気を味わいたいようだ。あまり改まったものよりもカジュアルなもので良かったのだがな」

「そういうわけには参りません。インデルのメンツもかかっているのですから」


メントはあちこち調整にこの1週間忙しかった。側で見ていたリュールも申し訳なく思う。


「この舞踏会が終わってイゴル達が帰ったらお前も少し休め」

「ありがたく頂戴しますよ。休まなきゃまともに働ける気がしません」


メントは2人きりだと自然に思ったことを言う。それが心地いい。


「イゴル達は今、どうしてる?」

「ああ、頑張ってますよ」

「意外だな…」


そうそうにダンスをマスターしたらしいイゴル達は新しい知識を吸収することに貪欲だった。なんと‟今度は勉強したい”などと言い出したものだから、学問の基礎を教える教師をつけて指導を行っていた。


「今夜は舞踏会だ。そろそろ、用意してもらわねばならん。様子を見に行くか」


リュールはメントと共にイゴル達の様子を見に行く。


「どうだ?調子は?」

「おう、リュール!なかなか面白い。 だが、疲れた。そろそろ学ぶのは飽きてきたかな」

「そうか。今夜は舞踏会だ。そろそろ準備せねばならないだろう?」

「今夜か! オレの気に入る娘はいるかな!?」

「お前、パートナーでも探すつもりか?」

「オレは妃になる娘を探しているんだ」

「ほう」


実は、イゴルが舞踏会を望んだ裏には妃探しがあるのではないかとリュールは考えていた。だから、年頃の令嬢も多数招待させている。貴族達には伝えてはいないが、国同士のつながりを強化できるチャンスとなればこちらも気合が入った。


「お前にはエバがいるだろ? オレもそろそろ嫁さんがほしい」

「お前の容貌ならコーザヌでも人気あるのではないか?」

「オレは、インデルの女がいいんだ。コーザヌの女は気が強いからな」

「そうなのか。気に入る令嬢がいるといいな」

「そうだな~」


イゴル達はメイドに案内され舞踏会の準備へと向かった。リュールも準備にとりかかる。


「エバは?」


ライラに問うと、舞踏会に出席するためにすでに準備に入っているという。舞踏会が始まる前に抱きしめたかったのになと、リュールは思いながら準備に入ったのだった。


...............舞踏会の会場となる大広間には有力貴族から末端の貴族まで幅広い階級の貴族が招待されていた。年頃の娘がいる貴族を中心に集められたので、貴族達も何となく察して緊張しているようだ。


(イゴルの求めるような令嬢はいるかな?)


リュールが会場の様子が伺える小窓から会場の様子を探っていると、準備を終えたイゴル達がやってきた。


「おーい、リュール! 隣にいるのはエバだよな!?」


嬉しそうにやってくるイゴルはまるで尻尾を振っている大型犬のようだ。


「エバ、元気だったか? 今日は、前と雰囲気が違ってまたいいな! オレと後でダンスしよう」

「おい、エバは僕の婚約者でもうすぐ妃になる女性だぞ。ダメだ」

「お前、ケチだなぁ。でも、リュールの大事な女だもんな。 正直言うと、お前の妃にならなければエバはオレがもらいたかった」

「おい!絶対に渡さん!」


リュールは横にいたエバを後ろに隠す。


「分かってる。コーザヌはな、いくら気に入っていてもほかの男の臭いをする女は選ばない。エバからはお前の臭いがする。お前からもエバの臭いがする」


イゴルにマジメな顔で言われると、やましいことはしていないのに恥ずかしくなった。リュールとエバは真っ赤になる。


「お前の言い方は、誤解を生む」

「ああ。“発言の仕方は考えなくてはなりません”てヤツだな。この前、教師が言ってた」

「それだ」

「早く始まらないかな~」


イデルは、ドレスアップして純白のシャツとタイにダークグレイの上下セットアップを着てキメているというのに、頭の後ろで腕を組んで歩いているからまるで近所を散歩しているかのようだ。


「......ちなみに、令嬢はビシッとした男の方が好きだと思うぞ」

「ビシッとか!分かった!」


イゴルは急に頭の後ろで組んでいた手を降ろすと姿勢を正した。ヌボーもいつもと違って姿勢が妙に良い。


「ヌボー殿も姿勢を正して気合を入れているようだが、妻を探すつもりなのか?」

「私は妻帯者なので。習ったことを実践しているまでです。用事を終えたのだから早く妻の元に帰りたいと思っています」


教師から受けた指導はかなり影響があったようで、いつもぶっきらぼうな話し方をするヌボーが丁寧な言葉使いをするようになっていた。しかも、彼は愛妻家らしい。


「ヌボー殿は愛妻家なのか」

「コーザヌはそれが当たり前ですから」


しっかり敬語で答えた。


(ほう。教育しがいがあるな。愛情深いようだし、インデルの人間とコーザヌ族の夫婦が増えればお互いの理解が深まりそうだ)


王族が入場する合図の演奏が開始された。リュール達は胸を張り、広間へと入場したのだった。


お嫁さんゲットに張りきるイゴルです。


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※投稿は毎日朝9時過ぎです。引き続きご高覧頂けるとウレシイです٩(*´꒳`*)۶

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