19話 苦心惨憺の痛み
一週間投稿がんばってます!
人気作家と比べれば小さいものです、だけど、毎週読んでくれる人がいてくれて嬉しいです
あと、ペンネーム変えました
―原初神とは、此の世の始まりにして絶対なる存在である
新たなる神々が繁栄しても、その権能はすべての頂点に君臨する
そんな原初神でさえも畏怖する二柱、宇宙神である混沌神”カオス”。
線が細いのはカオスの元々のことだが、覇気がない。
(あの時はまだ、目に光があったんだがな…)
「カオス、お前には聞きたいことがある」
『堕神はもういない』
「!」
ノーヴァが今聞こうとしていたことをカオスは言い当てた。これにはノーヴァも驚いているが、そんな暇はない。カオスは続けて話す。
『正確には、お前たちの住む地上宇宙に揺蕩う堕神の魂が定着した肉体が終焉を迎えたことで、堕神が新たな性を送ることができた』
「早い早い早い!」
『…なんだ?』
「いや、俺は堕神がどんな存在なのかを、だな」
ノーヴァがそう言うとカオスは天界の幻をだして説明し始めた。
『お前たちが地上宇宙に降り立ち繁栄を築いていた時、天界はずうっと戦だった。勝てもしないような相手に皆は頑張っていたさ。だが、敗れた。我ら原初神は子孫に新たな性を送れるよう、施しをしていたが。あいつにばれた。それと同時に集めていた神の魂だけが地上宇宙に迷い込み、そのまま暴走をしてしまっていた』
「つまり、堕神は戦いに敗れた神の魂が悪神として地上宇宙に降り立ったのか?
抜け殻にしても神の魂だ。カオス…他に言うべきことがあるだろ?」
ノーヴァが問い詰めるとカオスは覇気のない顔がさらに困った表情をする。
「当ててやろうか? 俺の兄弟と七洋が、その魂から権能を抽出して、他の動物に宿らせているんだろ…でなければ、」
『そこまで!』
淡々と話していた途中でカオスが声を荒らげて止めた。カオスの珍しく感情的で大きな声にノーヴァだけではなく、本神も驚いている。しばし、沈黙がうまれる空間。顔には出さないがオロオロするノーヴァは勇気をだして話しかける。
「……死の溜まり場…これはなんだ。どこにある?」
質問にカオスは明らかに怪訝なオーラを出す。恐らく地雷だったのだろうとノーヴァは確信づくも、これは知っておかなければならないことだ。
『…セアの仕業か?』
「いや、それはないだろ。それはセアが死んだ後に言われたことだってクリスは言ってたぞ」
『………やはり、セアは産むべきではなかったか』
カオスの吐き捨てた言葉、それを聞いたノーヴァは何を思っただろう。ノーヴァはカオスをおもいっきり平手打ちする。
プルシャンブルーの毛先が片目を隠しているが、シアンの瞳の中の瞳孔が稲妻のような形をしている。みつあみにしてからお団子ヘアにアレンジした髪と無愛想な顔からは想像できないふざけた喋り方に白練は苦手なタイプだと感じている。
「アハッ! そんなコーワい顔しちゃって! きれいなのにね~」
「ふざけた姿ですね、相変わらず!」
タンクトップとゆったりとしたパンツ姿で洒落てタトゥーが体全体に彫られている。
「えー! 俺っち、いいと思うけどなー」
クルっと一回転して自分の姿を確認してニッコリとする。これが、83男”結”の元祖だと言われても誰も信じないであろう。
(カデナ…あの御方が警戒なさっていた元祖。ですが、あの御方の見解によれば本質は近距離だということ。それならば)
白練は部屋の中にあったナイフを手にとってカデナの腕の神経を切ろうと一気に近づく。カデナは左手を顔に近づけて二の腕でナイフを受け止める。そして、左の指を器用に使ってピアスを取る。ぐっと力をピアスに込めると、ピアスが小さなナイフになる。殺傷能力は低いであろうナイフだが、鼻と鼻がくっつく距離では避けることは難しい。
「ッッ!」
曲げた左腕を戻す力を利用して白練の目を狙うも、白練はギリギリの所で回避して、僅かに瞳から外れた位置に血が流れた。休む暇を与えることなく、カデナは右手で刺さっているナイフを抜き、白練の頚もとを刺した。
「へえー !人の姿でも蛇の鱗に変化できるんだ!」
カデナの言った通り、白練は頚の部分を鱗に変化させてナイフの攻撃を防いだ。白練はカデナの腕を掴んで、そのまま投げる。カデナの体の軋む音が鳴り、カデナは4つの家をぶち壊して投げられた方向に吹き飛ぶ。吹き飛びながらも華麗に一回転して着地する。前を向くと、拳を握りしめた白練が視界に映る。カデナが両手でガードすると、白練が繰り出した拳の衝撃で家の片方が崩れてしまった。
アトランティス帝国は縦に長い建造物が基本的なもの、白練とカデナのいる建物は6階建て。倒壊する中でも、建造物の柱や調度品を足場にして拳を交える。
二人は同時に地面に着地する。
「スッゴいね~、流石S級冒険者。けど、まだ本領発揮してないね。いや、できないんだ!」
「本領とは?」
「いやいや、とぼけないで~よ! ロワに聞いたんだ! 君…蛇の王様でしょ?」
私は好奇心が旺盛でね、いろいろなことに興味を持って、それを成し遂げられるように研究を続けている。ステラは、その研究の一つ、被験体に過ぎない。
「はずだったんだけどね。私はステラや他の者たちに感情封鎖の指導を施した。それは何の意味があるかって? 簡単なことさ。私は感情の暴走で起こる力の増幅に興味があるんだ」
アストラはハンマーでレヴィアタンを殴って、今度は拳で空間を殴って衝撃波を当てる。地面に大きな亀裂が入る程の威力、しかしながらレヴィアタンは何事もないように話を続ける。
「ステラの最後は見事なものだったよ。私の想像を遥かに越えるその規模…」
レヴィアタンは昔のことを思い出す。一つの惑星が跡形もなく消えた、あの出来事を…
「正直あれがもう見れないんだと思って落胆していたんだよ?…だけど…」
レヴィアタンは空からハンマーを覆い振るうアストラの攻撃を躱す。アストラは空間を壊さずとも、断層を引き起こす一撃を放っておきながらも、すかさず、ハンマーの持ち手を変えてカウンター攻撃を繰り出す。パシッ
レヴィアタンがハンマーの柄を掴んで動きを止めた。そして、ぐいと力強くアストラを自身に近づける。
「私はもう一度、”あれ”が見たい」




