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第五話 衣食住

世界観 難しいです。


 部屋は2階にあるようだった。階段を降りると、小さなキッチンとダイニングにはテーブルと椅子が2脚あった。リビングに1人用のソファ、ローテーブル、ストーブがあった。


 手伝おうとしたら座っているように言われて、椅子に腰掛けながら辺りを見回した。


 リビングから玄関の扉と、その横の扉、先程の部屋に繋がる階段が見える。外にはテラスがあって、森と広めの道が続いてるみたいだった。


 一人暮らしなのかな?


 玄関以外の扉の向こうはもう一つ部屋があるのか、脱衣所、お風呂場かな?


 家族は居ないのだろうかとキョロキョロしていると、2人分の食事がテーブルに並べられた。


 サラダとスープとパンのようだ。


 私の向かいに座った彼は黙々と食べ出した。フォークを手に取って「いただきます」と言ってサラダに手をつけようとした。


 「いただ、ま?」

 

 リアムの声がしたので顔を上げると彼は首を傾げていた。

 こちらの言葉で説明するには覚えた言葉では無理そうだったので、ニコっと笑って手を合わせてもう一度「いただきます」と言った。


 彼の中で納得いったのか、その後は特に何も言ってこなかったので、サラダと向き合う事にした。


 すごく瑞々しくてシャキシャキしていた。

 スープも野菜が少しと、薄味だけど温かくて美味しかった。


 特に会話もなく、食べ終わるとシンクに食器を片付ける彼を目でおった。


 部屋に戻っちゃうかな。と思ったら、また椅子に腰掛けて、食べ終わるのを待っててくれているようだった。

 彼のすぐあとに食べ終わり、「ごちそうさまでした」と言って彼に目を向けると目が合った。

 少しドギマギしていたら、彼が私の食器をサッサと片付けてしまった。


 そして「リナ」と名を呼ばれてついて行くと、もう一つのドアを開けた。


 予想した通り、そこはトイレと洗面台と鏡とお風呂があった。

 彼はお風呂の蛇口に近づき、赤い石を取り出して赤く光らせた。


 ここが異世界なら魔法があってもおかしくはないのだろうけど、初めて見るその光景に釘付けになった。


 綺麗な赤いクランベリーくらいの大きさの石ではあったが、彼が光らせたのか、石が勝手に光ったのかはわからなかった。


 彼の手の中の石を口をあんぐり開けて凝視していたら、彼はまた蛇口の窪みに石を戻した。

 

 魔法でお湯が使えるようになるのかもしれないが、私が使えるのかな?と不安になって彼を見上げたらポンポンと頭を撫でられた。


 彼は少し私を下がらせて、蛇口を捻ると暖かいお湯が出てきた。


 トイレも同じようにすぐそばにある水晶のような透明な石を手に取ると、石の中心に光が灯った。


 彼はまたその石を元の場所に戻した。


 私に振り返って目配せをした彼は、その石に手をかざしてみせた。

 すると便器の中がキラキラと光の渦ができたかと思うと、スウッと消えていった。


 水洗というより、浄化の魔法らしい。


 そして彼は着替えとタオルを私に手渡して、先程から出しっ放しのお湯を指差して扉の向こうに消えた。


衣食住って大事だなぁ。

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