第三話 名前
彼方から という漫画が大好きで作品の参考にしています。知ってる人いますかね?
夢、、、
あれは夢だったのかな?
ふわふわと今日の衝撃的だったような、不思議な夢の内容を思い出そうとしていた。
雨で家から一歩も出ず、漫画を読み漁ってそのまま寝て、変な夢を見たんだな。
二度寝、三度寝をした時は目覚めた後も頭が働かなくてボーッとしながら気怠い感じで何もやる気が起きなくなる。
これもいつものその倦怠感なのだと、寝返りを打った。そこで、自分のベッドでも、家のソファでも、祖母の家でもない気がして目を開けた。
見しらぬ天井を唖然と見上げた。
自分の顔の前に持ち上げた腕には擦り傷はどこにもなかったが、起きあがろうとして頭がズキズキと痛みだし、吐き気がした。
うめいて座ったままうずくまっていると衝立の向こうから声がした。
1人の男の人がこちらを見て何かを問いかけたようだった。
「あ、の、、あなたは?、、ここはどこですか?」
酷く掠れた声が出た。
ふと、壁にかかったあの赤いレインコートが見えてハッとした。
暗い森の中、青白い月、大きな漆黒の狼
男は目を丸くして、コップに水を注いでいた手を止めて何かを呟いた気がしたが、フラッシュバックする映像が、レインコートの鮮烈な赤が、ぼやけた思考を叩き起こした。
祖母と母は?
あの土石流は?
あの森と狼は?
全部、全部、夢だった?
頭ではわかっているはずなのに信じられなくて、信じなきゃいけないけど、信じたくなくて…
全部、夢であって欲しい。
また彼が何かを言った気がしたが、やっぱり知らない言葉で全く頭に入ってこない。
現状も把握できていないのに、彼の言葉も理解できなくて、混乱する頭は先ほどよりも痛みだす。
「ここはどこですか!?あなたは一体、誰なんですか!?」
少しパニックを起こしたのか、思ったより大きな声が出て、自分でもビックリした。
溢れ出た涙は止まらず頬を濡らしていく。
男は目を見開いてビックリしていたが、憐れむように困ったように眉尻を下げて、ゆっくりと落ち着いた声で言い聞かせるように言った。
『Calme-toi』
そして徐に手を伸ばしてきた。
ビクリと肩を震わせた私の頭に少し躊躇する様に手を置いた。
『Calme-toi』
また同じ言葉を発して、あやすように何度もぎこちなく頭を撫でた。
『Tout va bien、tout va bien』
低く優しい声だった。
そして嗚咽を漏らす私の背中を彼は優しくさすった。
しばらく泣きじゃくったあと、落ち着いてくると、子供のように泣いた自分に気恥ずかしくなって顔を伏せて鼻を啜った。
大人しくなった私に彼は布切れと水の入ったコップを渡してまたゆっくりと話しかけた。
『Comment tu t'appelles?』
顔を拭いていると、さっきとは違う言葉と、疑問形になったので彼の顔を仰ぎ見た。
『Comment tu t'appelles?』
また同じ言葉を言ってから、彼は少し考えて自分の胸に右手の人差し指を当てて、ゆっくりと言った。
『Je m'appelle Liam、Liam Bernard』
そして、その人差し指を今度は私に向けた。
あ、名前を言って、私の名前を聞いている?
恐る恐る手をあげて、人差し指で彼を指差し、聞き取れた彼の名前らしき単語を口にする。
「リアム?あなたはリアム、、さんって言うの?」
彼はうまくいったというように口の端を少し持ち上げて軽く頷いた。
そして顎をしゃくって『Et vous?』と言った。
「あ!私は、、望月璃奈、リナです!」
言葉が通じた気がして嬉しくなって、前のめりになって捲し立てた。
彼が少し眉を寄せて首を傾げて言いづらそうに言った。
「ア、ヮタ、モチヅ?、、リナ?」
慌てて自分の胸に人指し指を当てて言い直した。
「リナ、リナ!」
彼はまた少し笑って『D'accord、リナ、Calme-toi』と言いながら私の頭をワシワシと撫でた。
異世界の言葉はフランス語を参考にしています。
わかりやすいように「」日本語、日本語発音。
『』こちらの世界の言葉にしています。
フランス語わかる方いたら、ニュアンスちょっとおかしいよ、こっちがいいよ、など教えて下さい!




