第一話 報告書№1
Niconico News X月X日
先日、世界初の大人気VRMMORPG『World of Theá』のプレイ人数が全世界で十億人を突破したことを運営会社『電鬼龍』が発表した。
このオンラインゲームは同社が開発、発売した特殊なVRゴーグル型のヘッドギア「女神の目」を使用することで、アバターとして異世界を模した仮想空間にダイブし、アバターを通してまるで本当に異世界で冒険しているような感覚を体験できるというものである。
半年前に日本でリリースされ、その後一か月もたたないうちに英語版、イタリア版、フランス版などが次々とリリースされ、熱狂は世界中へと広がっていった。
ちなみに、アバターが仮想空間でダメージを負ったとしても、それによる痛みは経験することができるというのもリアリティを増幅させることができるとゲームの魅力となっている。
同社は、ゲームに関する管理・運営のみならず、宣伝から関連グッズの制作、販売をすべて行っていることから、総利益は相当な額に及ぶと言われているが、同社は株式市場に上場しておらず、総売上のみならず、本社所在地や従業員数など、詳しいことは不明であることから、公正取引委員会から要注意対象とされていると、関係者が証言している。
Offside
「異常が報告です。」
「ふむ、だいぶ評判は上々だと思っていたが、これは落とし穴だったね。」
「しかし、しょうがないでしょう。わが社は倉庫どころか本社すら不用なのでありますから。」
「しかしね、プレイヤーから不信感を抱かれては運営に大きな支障が出てしまいかねない。利用者が減少してしまうかもしれない。何とかして、委員会から誤解を解くようにダミーの本社ビルを用意するように準備したほうが良い。」
「了解しました。」
「それと、ワールドに異常は?」
「まったくありません。」
「……………NCPはちゃんと機能しているか。」
「ええ、ちゃんと洗脳は完璧です。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ、よかったよ。」
「ええ、これからもちゃんと管理していくつもりですのでご安心を。」