僕はベストな選択でエンディングを目指す
朝目が覚めた
今日も不穏な一日になる、そう確信していた
ただ今日は違った
目の前には朝日が照っている数か月ぶりの朝日である
そこには僕を抱きかかえる20歳くらいの若い男女がほほ笑んでいた
「ともかずあなたの名前よ」と若い女
「生まれてくれてありがとう」と若い男
この二人は僕の誕生を祝福してくれている
身動きが取れない状況にいら立ち体を動かそうとする
「おぎゃー!」
自然と産声を挙げてしまった
おそらくこの二人は夫婦で僕はその子供なのではないか
しかしこの二人は若い十代と言われても疑わないレベルで若い
「お子さんが生まれましたおめでとうございます」とこれはべつの女
その女は白い服を着ており清潔感がある
これはどうも僕の記憶から察するに看護婦であろう
その看護婦に抱きかかえられ病院のベットに寝かせさせられた
しかし、どうもこの光景には見覚えがある
おそらく前の記憶だ
仮に昨日までいた世界を僕の前世としよう
看護師の服装病院の備品全てが前世にあったそれと近い
しかし、前世にはなかったものも多分にある
これは違う世界と考えていいのだろうか?
とりあえず保留だまだ情報量が少なすぎる
とベットの上で思案にふけっていると意識がもうろうとしてきた
そのまま目を閉じ意識が途絶えた
意識が戻るとそこはベットだった
しかし違うベットで窓もない暗い部屋だった
ここは僕の前世で家にいる
とても憂鬱な気分だ
なぜならここは僕にとってあまりいい思い出のない場所だ
ガチャ
奴が入ってきた
僕がここにいる原因であり僕の諸悪の根源でもある
「お兄ちゃん今日はカレーだよー」
「僕は君の兄になった覚えはない」
「えーお父さん一緒なのに水臭いな~」
「あんなの親でも何でもない」
「もぅそんなこと言うならお仕置きだからね~」
女は僕にやかんの熱湯をぶっかけた
「お兄ちゃんそんなこと言っちゃダメでしょ。お父さんとお母さん死んじゃったけど仲よくしろって言ってたし」
「何度も言うがあんなのお父さんじゃないし僕のお母さんは生きてる」
「もう、五年もどこいるか分んないのに?」
そう、僕の母はもう死んでいる
それは僕にもわかっている
父は死んだ病気だ
そして僕は妹のまずいカレーを食べた
妹は僕を監禁してるし怒るとと暴力をふるうが基本は僕のために何でもしてくれる
妹には感謝している
妹はADHDで気持ちのコントロールが難しいようだ
そんな中時に厳しいがいつも僕のことを考えてくれる
このカレーだってこないだまでは食えたものじゃなかったが着実においしくなっている
ただ、僕も妹には思うところがある
妹の病気は僕がどうにかすると心に誓った