春の嵐と恋の風⑮
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「ブ、フェーックション!」
シルヴァスのくしゃみで往来に軽い風が巻き起こり、砂塵やどこからともなく落ちていたであろうビニール袋が宙を舞い、隣で歩道を歩く男の顔をめがけて飛んできた。
「うわっ⁉」
咄嗟の事で男は、ビニール袋を避けきれず、彼の顔には袋が張り付いた。
「くっ!何だこれ?ベトベトする…クソッ!!」
そう言いながら、べとつく物が入っていたであろうビニール袋を、男が自分の顔から引っぺがす。
黒いスーツのシルヴァスと並んで歩くグレーのスーツを着込んだ男は、持っていたハンカチで即座に顔を拭いながらも、飛んできた袋をきちんと小さく折りたたみ、自分の鞄に入っていたゴミ袋に押し入れた。
常にゴミ袋を携帯しているあたり、口の悪さとは裏腹に男の善良さが窺われる。
続いて、ベトついた汚れが取れなかったであろう彼は、鞄からウエットティッシュを取り出し、持っていたハンカチを引っ込めて、ウエットティッシュで顔を拭う。
ようやく、汚れが取れたらしく、男はまたゴミ袋に使用済みウエットティッシュを捨て、それを鞄に戻した。
ウエットティッシュまで、携帯しているとは…随分と用意周到であるが、この男は独身男神である。
しかし、彼は職業上、児童に関わる仕事をしている為、普段から子供と接触した際に必要そうな物を持ち歩いているのだ。
一見すると、ビジネスマン風の彼の鞄の中身は、まさにマザーバックと言っても過言ではない。
一連の動作を終え、ようやく深呼吸をすると、彼は引きつった顔をシルヴァスに向けた。
「きったねーな。お前がくしゃみをすると、周りに風が起きるから迷惑だ!」
「ごめんごめん。昨日ちょっと、お風呂に入ってたら、そのまま寝ちゃってさ…。お湯が水化して寒くて目を覚ますまで意識がなかったからなぁ…。すっかり冷えちゃったよ。」
「何してんの、お前?現人神が風邪とか…風の精霊が風邪とか…色々洒落になんないぞ。それにしても、どうせなら、可愛い女の子が近くを通る時にくしゃみをしろよ。スカートの子を狙え!」
「いや…わざとしてるわけじゃないんだからさ。そんな器用にくしゃみを操れるわけないだろ?無茶、言うなよ…。」
「フン、冗談に決まってんだろ?まあ、そう、うまくいったらいいなぁとは思ったけどな。おい、シルヴァス…それより、お前、朝から眠そうだな。」
同僚であり、シルヴァス同様、現人神の児童保護を仕事にしている相棒のクシティガルヴァス、通称クーガが出勤後に向かった出先で移動中、くしゃみを連発していたシルヴァスに顔を顰めて問いただす。
「いや、ね、昨日は、ボランティアで一仕事しちゃったからさぁ。眠いよ…。」
「お前がボランティア~?仕事、命のクセして、お前にそんな暇があったのかぁ?」
「うるさいな!いい暇つぶしになったよ…。帰ってもカヤノちゃんもいないしね。参ったなぁ…だから、水風呂に入る羽目になったんだ。いつもなら、彼女が心配して外から声を掛けてくれる筈なのに。」
「ああ、そういや、彼女、いつ戻るんだ?」
何となく面白くなさそうに、シルヴァスは片目を瞑って相棒の質問に答えた。
「一応、半年で戻るって言ってたけど…というか…そう手紙に書いてあったんだけど…今はまだ連絡もない。担任の姉が一緒に住んではいるらしいんだけどさ…半年も教師と同居ってどう思う?」
「うーん、養成学校の教師だろう?間違いないし、いいんじゃね?だが、卒業後に向けて粉かけられる可能性はあるかもな。カヤノちゃんて、保護した時しか知らないんだけど…あの、一番怯えていた子だよね?」
「ああ。」
「どんな風に育った?美人?可愛い系?」
クシティガルヴァスの質問に、面白くなさそうだったシルヴァスは、一層、顔を険しくさせた。
「はあっ?何?その最後の質問て必要?」
「そりゃ、俺も一応独身現人神なんで…興味はあるよ。片っ端から女の子にモーションかけたりはしないけど、知り合う機会は増やしたいからな。」
「あのねぇ、僕は保護者だよ?そんな不純な動機を持った奴に、うちのカヤノちゃんの情報を教えられるわけないでしょ?」
「何だよ、どんな子か聞いただけじゃんか。不純な動機じゃねーっつーの!俺はいつでも本気だっつーの!お前こそ、ただの保護者なら、そこまで心配する必要ないだろう?」
「そこまで…って、どういう意味だよ?心配したらいけないって言うの?」
「彼女、自立の為にお前の元から離れようとしてるんだから、その第一歩が担任教師の元でなら、むしろ安心じゃねーか。少女の成長を喜べよ。」
「へ?僕の元から離れる…って?一時的な練習をしているだけで、カヤノちゃんは、ちゃんと戻って来る予定なんだけど…。」
相棒の何の気なしな言葉に、シルヴァスは歩きながらも、胸をドキリとさせた。
そして、危うく電信柱にぶつかりそうになる。
それをギリギリの所でかわし、再び相棒の顔を覗き込んだ。
「そりゃそうかもしれねーが、半年後に一時的に戻って来るってだけだろ?自立の練習って事は、用意が整い次第、お前の元を離れるって言っているようなモノじゃないか。」
「バ、バカ言うなよ。あの子はまだ色々、未熟で…子供なんだ。心理的外傷だって抱えてる。そう簡単に自立なんてできないよ…。」
「そうかな?子供は急に大人になるし…できる事なら卒業後、すぐに出て行っちまうかもしれないぜ?」
「まさか…。確かに、いずれは僕の元を巣立って行くんだろうけど…ソレはもっと先の事だ…。」
そこまで言うと、シルヴァスは口ごもった。
カヤノが家を出て行く日を想像したのだ。
一度は絶対に結婚しなければならない現人神の女性は、永遠に保護者と生活できるわけではない。
結婚が嫌だからとか、異性が苦手だからという理由で、未婚を貫く事は禁止されており、定められた年齢までに婚姻を結ぶ事が義務化されている。
今までカヤノが家を出て行くのは、学校を卒業しても、ずっと先のように思っていた。
しかし、クシティガルヴァスの言葉で、シルヴァスはその事に確信を持てなくなった。
「一般的に…その、世間から見て、カヤノちゃんが自立に向けて頑張るという事は…そんなに早急に家を離れる為だっていう風に見えるかい?」
「はは、何だ…シルヴァス。まだ手放す気がなかったみたいだな。情が移ったか?だが、担任の家に居候してまで、自立を考えているなら、かなり本気に見えるぞ?普通はそこまでしないし、ましてや彼女は精神的に傷を負ってるんだから、勇気を出したんだな。」
シルヴァスは、相棒の言葉を聞いて、自分の胸の鼓動がバクバクと早鐘を鳴らしている事に戸惑った。
何だコレ…心臓がうるさいんだけど…僕、どうしたんだ⁈
戸惑うシルヴァスにクシティガルヴァスは、少し同情めいた表情を浮かべて、話を続けた。
「俺は純粋な保護者なら、彼女の決めた事に後押しをしてやるべきだと思う。それにしても、今までお前から聞いていた話だと、関係は良好のように感じたが…彼女が急に出て行こうと考えるような事が、何かあったのか?」
シルヴァスはギクリとした。
一瞬、クシティガルヴァスにカヤノとの一件を隠すべきか迷ったのだが、彼が慈愛に満ちた表情で微笑んだので、シルヴァスは長年の相棒に話をする事に決めた。
口は悪いし、粗野な感じがするが、クシティガルヴァスは慈愛に満ちた性格で、シルヴァスと違って孤児以外の児童を専門に保護しているが、子供への愛情は自分以上に、殊更、深いものを持っている。
彼もまた、独身現人神に違いはなく、女性現人神への興味は並々ならないだろうが、人が持ち掛けた相談を口外したり、相棒である自分の隙をついて、カヤノを傷付けるような事は絶対にしないだろう。
神の中には、悪い方にイタズラ好きな者や、人間の混乱や同族である現人神をひっかきまわして、面白がるような種類の連中もいるが、この相棒は善意と慈愛の塊のような現人神なのだ。
「実はさ…クーガ。僕、カヤノちゃんに好きだって言われたんだ…。その、家族としてじゃなくて、異性として…。」
シルヴァスの言葉にクシティガルヴァスは、目を丸くすると、少々興奮気味に声を荒げた。
「ええ⁈養い子からかい?それは、おめでとう!!良かったじゃないか!この女性現人神の希少な世界で…向こうから告白されるなんて。当初は渋い顔をしてたクセに…彼女を引き取って正解だったな!」
「え?いや…でも…クーガ…。僕、養い親だよ?その、そんなのに応じたら、養い子に手を付けたみたいって言うか…花嫁の青田刈りしたみたいで、良くないだろ?」
「何言ってんだ?この男神があぶれている現人神社会でそんな綺麗事を言ってられるか!孤児だって、ボヤボヤしてると上級現人神に持っていかれるぞ。それに独身現人神の男が、孤児を引き取る理由なんて、花嫁の青田刈り以外に他の目的があるのか?まさか、お前、彼女の告白を断ったの?」
ハッとして相棒がシルヴァスに聞くと、シルヴァスは頭を掻いて、歯切れ悪そうに口を開く。
「断ったって言うか…流したって言うか…その、僕への気持ちは、錯覚だって彼女に言ったけど…。」
クシティガルヴァスは、大いに顔を歪めて、こう言った。
「独身男神が『好みだから』と小さいうちから引き取って、心を込めて精一杯愛でながら育てたって、必ず養い子が自分の愛に応えてくれるとは限らないんだぞ?」
更に、クシティガルヴァスはシルヴァスに言い聞かせるように次のような話を続けた…。
いくら、養い親が愛を求めても、結ばれるかどうかの選択権は、法律上、養い子側にあるのだ。
引き取ってもらった養い子の方が、親よりも弱い立場にあるのだから当然である。
一方、独身男神の養い親側から見れば、気に入った子を何とかして引き取っても、女神が希少の現人神社会では、卒業と同時に他の男神からも求愛され始める事で養い子を奪われないように、一刻も早く己の恋情を伝え始めるケースが一般的だ。
つまり、少女に自分の妻になるように刷り込みを始めるのだ。
そういう事は法律で禁止されてはいないので、少女の心を自分に引き付けておきたい養い親は必死である。
それだけ考えると、里親を務めた男神が、養い子へのアプローチに関して、圧倒的に有利になる法律にはなっているが、それでも一人前の女神に育て上げた後に、大抵は自分よりスキルの高い男神や色男に持って行かれる場合が多いのが現状だ。
結局は、可愛い養い子であり、将来の妻と決めた娘に振られるケースも後を絶たないのである。
それでも、普通に花嫁を探すことに比べたら、ゲットできる可能性が高確率なので、孤児の少女の里親志願を希望する独身男神の数はとても多いのだ。
「養い子を花嫁として、うまくゲットできる確率は…三分の一くらいだ。女の子は自分を大切に一人前にしてくれた養い親よりも、成長してから電撃的に出会った男と恋に落ちる方がお好みだ。養い子の方から告白してもらえるなんて…ほんの一握りだよ?」
『それを自分から振るなんてバカだ…ありえない。』
『大抵は、養い子を落とす為に全力を出しているんだぞ?』
『お前みたいな綺麗ごとで嫁が来るなら俺もマネするわ…。』
と、クシティガルヴァスは付け加えて言った。
「シルヴァス…お前は、多分、かなりラッキーだったんだぞ?」
そもそも、孤児の現人神女児を独身男神が引き取れる確率だって、余程、高位の現人神でなければ難しいのだ。
複数の養い親希望者が出る現人神社会では、孤児の方だって行先がある程度は選べる。
人気の家は、やはり両親揃った家で、恐ろしく裕福な家庭が多い。
そう言った家をセンターや孤児院施設でも孤児に優先的に勧めるのだ。
独身男神の養い親希望者は、将来の花嫁候補を育てたがる者が多い為、二の次に回される。
それでも身分の高い者は、適した引き取り先が少ない場合に限り、孤児に紹介される。
そこで、いくつかの取り決めをし、孤児が気に入れば、正式な養子縁組か保護者契約が成立するのだ。
通常なら、シルヴァスのような平凡な階級の現人神が、孤児を引き取りたいと届け出を出しても、センターの方で即座に却下された筈だ。
勿論、資格がないわけではないが、シルヴァスよりも条件の良い里親希望者がたくさんいるのだ。
登録した所で声がかかる事などありえない…。
カヤノが、たまたま異例だったのだ。
希望者がいても、トラウマのせいでうまく行かず、施設に収容された年齢が丁度、現人神養成学校への入学が間近に迫っていて時間がなかった。
つまり、シルヴァスにとって、最高にタイミングが良かったのだ。
カヤノの当時の孤児院施設の担当者は、相当慌てていた。
幸い、カヤノはシルヴァスになら、唯一、男性でも怯える事なく接っせられる。
加えてシルヴァスは、児童保護に関わる仕事をしており、異性に怯えてしまうカヤノに唯一、懐かれているのならば、独身男神に引き取られるのも、むしろ良いトレーニングになるとセンターの方から判断されたのだ。
その為、カヤノは比較的、容易にシルヴァスに引き取られる事が決まった。
「俺らみたいな普通の現人神の所に嫁に来てくれる同族を探すのって大変なんだぞ?俺なら両手を上げて喜ぶけどね。一般的には、好みの子を引き取ると思うけど…何?カヤノちゃんは、あんまり可愛くないの?お前の好みと違ったとか?」
「可愛くないわけないだろう⁈うちのカヤノはすごく可愛いよ!!ただ、僕、そう言うつもりで彼女を引き取ったわけじゃないから!」
「ふうん、そういう対象の女の子としては意識してこなかったのか…。それって、親として見れば、可愛いってだけだよな…何だ、残念。という事は、あんまりカワイ子ちゃんじゃないんだな?」
「だから、可愛いって言ってんだろう!!失礼な事言うと殴るよ⁈彼女がうちに来た時は、子供だったんだぞ…そんな不純な動機を持てるか!」
「子供なのは最初だけだろ?心の在り方は変化するものだ。お前、彼女に告られても、そういう気になれなかったんだろ?それ、彼女が異性として魅力的じゃなかったって事だよな?」
「だから…そういう意味じゃなくて…僕なんかに彼女は勿体ないんだ。これから、彼女には色々な可能性があるんだぞ?ゆっくり焦らないで大人になって欲しいなって…。」
「お前よりもいい男と出会えるっていう可能性がか?シルヴァス、この話は、俺以外にするなよ?」
シルヴァスはクシティガルヴァスの言っている意味が分からずに彼の顔を見詰めた。
「お前の心境は、関係ないんだ…彼女がそういう目で見られるぞ?」
シルヴァスはキョトンとしたまま、更にクシティガルヴァスを見ながら、首を捻った。
すると、溜息を一つ入れてから、もう一度、相棒は少し際しい顔をして口を開いた。
「彼女が、お前風情に振られたように見られるの!いいか、シルヴァス…彼女が魅力的だろうがなかろうが、残念ながら俺達の仲間にゃ、現人神の女なら誰でもいいから嫁にしたいという、切羽詰まった奴もいるんだ。普通はある程度、好みの子が良いとは思うが…。」
「なっ⁈誰でもって失礼な!だから、うちのカヤノちゃんは可愛いって言ってるだろう⁈」
「あー、待て待て。今はその話は置いておけ!仮の話だ…仮に好みは別の子でも、その子に振られたとする…ソイツは上級現人神で家の為に何としても現人神の花嫁をもらわねばならない…俺ら程度なら普通の人間でもいいが、そういう奴は絶対に現人神の嫁が欲しいんだ。」
「そんなクソはいないだろ?さすがに…。」
「お前…平和ボケしてるね。どちらにしろ、お前風情に振られた女なら、自分でも手が届くと勘違いする奴が出てくるぜ?お前に告ったって言う時点で彼女の好みが、現人神としての玉の輿でも神の階級目当てでもないって言う事がわかるからな…。」
「おい…僕に告白した時点でっ…て。それ、スゴイ傷つくんだけど…。」
「ハアァァァッ、バカだなぁ、シルヴァスは。寄り好みしてると、マジで嫁なんか来ないよ?」
「寄り好みなんかしてないだろ?」
「前に失恋した彼女…冥界貴族だっけ?俺なら彼女より、分相応なカヤノちゃんの方が良いと思うけどね。まあ、失恋相手を対象に考えても意味ないか。」
「余計な世話だ!」
腹を立てるシルヴァスの肩をポンポンと二回叩いて、クシティガルヴァスは『まあまあ』と落ち着かせるように言った。
「まあ、お前は彼女の告白を流した…取り返しはつかない。可哀想に…男が苦手な彼女には随分と勇気がいっただろうな?ただでさえ傷つけられているのに…お前に振られて、また傷ついただろうに。彼女が自立しようとしているのは間違いなく、お前から離れる為だな。」
相棒の言葉に、シルヴァスの眼は大きく見開かれた。
他人に言われると、わからなかった事実がはっきりと見えてくるものだ。
普通に振舞ってはいても、やはりカヤノは傷ついていたのだ。
そして、それをバネに自立して、自分の元から離れるつもりなのだ。
「僕はカヤノちゃんに捨てられるのか?」
「仕方ないだろ?遅いか早いか…お前が応えなかったら、いずれ出て行く事になるんだ。」
「でも、卒業してすぐなんて!いくら何でも、早すぎるだろ⁈」
「彼女が半年間、留守をしている間に一人身の生活を取り戻しておけよ。彼女がいなくなる覚悟ができて、かえって良かったじゃないか。担任教師には感謝するべきだぞ?」
「僕がサルマンなんかに感謝⁈そういうものか?」
「ああ。純粋に養い子として育てても出て行かれる時は寂しくなるものな…子供は可愛いから。お前に振られたのは可哀想だが、それを機に成長して前向きになるのなら、結果的には彼女にとって良い事だ。お前が言うように、彼女の恋情が錯覚なら尚更だ。俺も彼女の幸せを祈ろう。」
シルヴァスは心が麻痺したように呆然とした。
そんなシルヴァスに、クシティガルヴァスは、更に続けて神経を逆なでするような言葉を吐く。
「で、お前が好みじゃなかったカヤノちゃんなんだけど…一応、俺にも紹介してくれる?」
シルヴァスは麻痺した心のまま、無表情で拳を相棒の腹に思いっきり入れた。
「グフォッ⁈」
クシティガルヴァスから変な声が漏れた。
「おまっ…何…しやが…。」
相棒の声が遠くに聞こえる…。
その日、シルヴァスは一日中、ボウッとしながら仕事をしていた。




