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第1話 自殺からの妨害行為!!

勢い10割です!!!!!!!

いえいえいえいえーーーーーーーーい!!!!!!!!!

俺は、夢も希望もない大学生。

といっても1年生の夏季休暇明けからほとんど大学に行かず、留年の危機が訪れている。

受験勉強を頑張ったおかげか、まあまあ名の知れた大学に受かったものの、受験のプレッシャーから逃れた瞬間、俺はダメ人間になってしまった。


気づけばもう3年生。必修単位も落としまくっているため、4年で卒業できないのは明らかだ。

そもそももともと俺はダメ人間だった。受験がうまくいったのもたまたま。バイト?就活?絶対お断りだ。社会の歯車なんてなりたくもないし、そもそも向こうからお断りだろう。

なんてったって俺はコミュ障。しかも超がつくほど不細工だ。道を歩いているだけで女子高生には避けられるし職質される。見た目が悪すぎて多少勉強ができても何のプラスポイントにもならない。


辛すぎる人生だ。

何のために生まれてきたのだろう。


そう思い俺は通販で買ったぶら下がり健康器具にロープを括りつけ、自殺をしようとした。

「これで楽になれる――」

台を蹴って首がまさに締まる、とその瞬間――


目の前に光の輪が出現し、俺の体を覆った。

「なんだ……一体……?」

とその時

「よくもまぁ自殺なんてするもんだなあ」

と、白いひげを生やしたおじいさんが目の前に現れた。


「なんですかあなたは一体」

「わしか?わしは神じゃ」


驚いた。こんなにカジュアルに神って姿を現すのか。

「早速じゃが、お前さんの願いをかなえてやろう」

「えっ?」

「願いをかなえてやるといったんじゃ、さっさとせい」

「じゃあこのまま、死なせてください。僕はもう死にたいんです」


「それはできん」

「そ、そんな……せっかく今まさに死ねるところだったのに」

「おぬしを億万長者にもできるし、世界最高峰の頭脳の持ち主にもできるぞ」

「それはすごい……でももういいんです。生きていても何も楽しくない」

「では時間を巻き戻したり、逆に未来におぬしを連れ行くこともできるが?」

「それはすごい……そうか!なら俺を、俺が受精するその日の両親に会わせてください!」

「そんなのでいいのか?変わったやつじゃな……ではいくぞ、それ!」

「て、展開が早すぎる―—」


気が付くと、俺は古いボロアパートの扉の前に立っていた。

「引っ越す前の実家だ……確かにここに住んでいた記憶がある」

それに、俺の知っているボロアパートより若干きれいだ。落ちている新聞を見ると、確かに俺の生まれる約10カ月前の日付になっていた。

「ここで俺が受精したのか……よし!俺が生まれないように、全力で阻止してやるぞ!!」


扉に耳を立てていると、はぁはぁと言う男性の声に交じって女性のなんとも色っぽい喘ぎ声が聞こえる。

「くっそー……自分らの顔を少しでも考えりゃ、子孫なんて残さない方がましなのによ……」

ここまで薄い壁なら、きっと妨害できるはずだ。


「ああああああああぁぁぁぁぁっぁあぁっぁぁぁあぁぁぁぁぁああああああああ!!!?!?!??!」

「きええええええええぇぇぇぇっぇぇえぇええええいいいい!!!!!!」

「ハイッ!!トウッ!!アハイッ!!ハイハイ!!!!ハイハイハイハイハイ!!!!!!!」

「うぇ~~~~~~~~~~~~~~あ~~~~~~~~~!!!!!」

「ぴよぴよぴよぴよ~~~~~~~~~~ぽぴぽぴぽぴぴ~~~~~~~~あひひひひ!!!」


全力で妨害した。

これで、俺がいなくなるはず……

受精ガチャでもう少し優秀なやつが生まれるといいな、頑張れよ、両親……


俺の指先は半透明になり、だんだんと自分が薄れゆくのがわかった。

「こういう死に方も、斬新でいいな……」


目の前が真っ暗になった。





「———はぁ!……夢?」

俺は目を覚ました。

なんてことのない日常が始まるのか。全部夢だったのか。

ふと、鏡を見ると―――



「女の子になってるーーーーーー!!?!?!??!?!??!」



――俺の女の子生活が幕を開けた……!

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