しゃかい ~723(なにさ)三世一身って、743(なしさ)墾田永年私財なんて。だって無常な世の中なのだから。~
永遠を手に入れたい 望むことすら許されないのだろうか
自分のものを自分のものにしたい それさえ許されないのだろうか
齢僅か6つ 幼子らに配られた
”自分自身のもの”そう錯覚させる
所詮は与えられたものでしかないのに 勘違いして滑稽でしょう……?
齢僅か6つ 口分田は誰にでも
”自分だけ特別”そう錯覚させる
所詮は利用される訳でしかないのに 舞い上がって滑稽でしょう……?
「班田収授法、あなたに私は騙されていたのね」
こんなの嫌 悔しいだけ
ねえどうして? 生まれ落ちた瞬間から決まっている
私も一度は奈良の都に住みたい お屋敷に住んでみたいわ ♪
租・調・庸 辛い重い逃げ出したい
私の体を縛り付けるのね -逃ガサナイー
田畑を守っても馬鹿らしいばかり
いっそ全てなくなってしまえばいいのに
永遠を手に入れたい 望むことすら許されないのだろうか
自分のものを自分のものと言いたい それさえ許されないのだろうか
死後もなくならない 親から譲り受けた
”まさに永遠もの”そう錯覚させる
たった3代しか続かないのだとしても 画期的で喜ばしかった
「三世一身の法、あなたなんか、養老七年格よ!」
死後もなくならない 墾田が永年に私財だというその法の名前
”まさに永遠のもの”まんまとそう錯覚させられて
利用されて それでも喜んでいた
「墾田永年私財の法なんて馬鹿みたい……っ」
こんなの嫌 苦しいだけ
ねえどうして? 他人の荘園のために働かされ
奈良から広がる現れたのは貴族 お屋敷を持ってみたいわ ♪
飢・饉・YO! 暗い思い抜け出したい
私の体は動けなくなるの ー逃ガサナイー
仏に願っても馬鹿らしいばかり
大陸から流れ込んでくる多くのもの
永遠を手に入れたい 望むことこそ許されないのだろうか
自分のものを何か持っていたい それこそ許されないのだろうか
飛鳥文化から天平文化へ 時代は流れ進んでいく ……
渡来人とかそういう世代ではないけれど
怖い 恐い ただ積もる恐怖
知らない世界からやって来るものが
馴染んでいくのがひどく恐ろしくて
けれど国風文化と言えるほどには 進めない進まない 私の時間
租・調・庸 辛い重い逃げ出せない
私の心を縛り付けるのね -逃レラレナイー
永遠を望むのは愚かしいばかで
いっそ開き直り楽しむ諸行無常
移り変わる刹那の世 望みさえも許されないというのなら
この丘の上の風にでも幸せを見出せる
遠くに見える奈良と この風だけはきっと同じだから
「奈良時代はゲーム作品とかもあまり取り上げない時代よね。土地に関する法の差が伝わったかしら? good-bye 公地公民とか、もっと税についてとかも書きたかったわ(墾田永年私財法より)」