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双極の魔法使い 更新しません  作者: デトロイトのボブ
1章 少女の日常は崩れ去る
2/17

1話「日常には戻れない」

三人称の練習として書きました、少し雑ですが私なりにやりました! 練習なので打ち切りみたいな終わり方をしてしまいますのでご了承ください

  01


 2月某日

「ふわぁ、クソ眠い……」


 少年はいつ閉じてもおかしくない瞼を気合いで開けてある目的地へ向かっていた。

 そこは少年が2ヶ月後に通う私立青葉高等学校、気をおかしくなったかと思われそうだが少し事情があるのだ。


「めんどくさいなぁ」


 そう思っていても報酬は約束されているので足は止まらずに青葉高等学校の中に入っていた。

 少年は呼び出した張本人がいる理事長室へ向かうが、少し気になる場所があったのでそこに向かおうとしたが



「よ!遅かったじゃない春馬」



「え!?」


 向かおうとしたつもりが気がつくと理事長室に立っていた。なにを言っているかわからないと思うがいきなり理事長室へとワープをしていたのだ。


「理事長まさか貴方、この高校を自分のアジトに?……」



「いやいや、春馬が理事長室に来やすいよう少し倉庫を改造しただけでアジトになんか……」


 春馬と呼ばれた少年は嘘をつこうとしている理事長に呆れたが本題を切り出す事にした。


「話は変わりますが何故俺をパリから呼び出したんですか? 」


 春馬は普通の一般人と違い、数え切れない程の戦場を駆け抜けたので大抵の事は驚かないがそれは覆る事になる



「君にはある人物の護衛をしてもらいたくってね、わざわざパリから呼んだんだ。これを見たまえ」


 彼女から渡されたのは一人の少女の写真だった。春馬から見てなんの変哲もない少女だった


「何の変哲もない少女だがこの子の名前は竜宮寺明日香、そこら辺の魔法使いと比べるのがおかしいぐらい彼女は強いぞ」


「じゃあ護衛する必要なくないですか? 」


「確かに強いは強いけど彼女の親父さんが相手だと話は変わってくるのだよ」


 竜宮寺明日香は名字に劣らずかなりの強者だが、父親は更にそれを超えており噂ではこの街の一般人を全員生きているまま爆弾にできる悪魔だと春馬は聞いていた。


「――まさか父親が娘を殺そうとしているんですか」


「……魔法使いの連中は子供が自分の研究に合うとなれば殺す奴らだ君も気をつけたまえよ」


 嘘が下手な理事長には似合わないような真面目な顔をして深刻に語ったので少し面を食らった


「君には3年間、彼女の護衛に着いてもらい彼女に降り注ぐ障害を払ってもらうのが今回の任務だ」


「わかりました……」


 普段なら二つ返事で仕事を受けるが今回ばかりはその余裕は無かった。


「今回ばかりはふざけてられないな……」


 理事長室から出た後春馬はらしくない独り言を呟いた。


  02


  4月6日

 明日香が実家から抜け出して2ヶ月が経とうとしていた。私立青葉高等学校に入学して父親からなにかないか構えていたが数日が経ってもなにもないので気に留めるのはやめた。


「どうなる事やら……」


 明日香はボソッと独り言を呟いた後、自分の好きな本を読んで自分だけの世界に浸っていた。

 が、明日香の容姿はかなり人目を惹く美形なので自分だけの世界に浸れる時間はかなり少なかった。


「明日香!明日香! 」


「わ!? いきなりなによカスミ」



 彼女の名前は本城香澄、とても小柄だけどそれを感じさせない大きな抱擁力を持っている少女だ。


「貴方に見せたい物があるのよ、これを観て」


 彼女が見せてきたのはある動画だった。それは明日香と同じ異能者が街中で闘っており、その映像を他の視聴者が観て面白おかしくコメントしていた。


「香澄……これは?」


「あ、やっぱり知らなかったね。これはね視聴者参加型番組で俳優さんの勝ち負けを賭けたり、気に入らない俳優さんを自分達で削除出来るんだけど……明日香? 」


 気がつくと明日香は動画を貪り食うように観ていた、彼女の為にフォローするが滅多な事がない限りこんな反応はしないのだ


「これって本物なの?」


「なーに言ってんの明日香、本物なわけないじゃない。CGよ!」


 思わず聞いてしまったが目の前の映像はCGではない、香澄含めた一般人には何らかの暗示がされているようだが明日香には効かなかった。

 ただ、一つ明日香には少し思うところがあった


「明日香も興味あるなら後でベインに送るけど? 」


「興味ないかな。あ、それより香澄この前話したあの店何だけど……」


 さりげなく話題を変えたが明日香は危機感を抱いていた、魔法使いとしてではなく年若い少女として自分が望んだ普通の生活は壊されるのではないかと

 香澄は明日香がそんな事を思っているとは知らずにいた


 ――――――


 時刻は25:30、普通の人はとっくに寝静まっている時間だが少女は違っていた。


「集中、集中……」


 明日香は自分の指を口で噛み、垂れてきた血を歪な魔方陣にする為地面に描いた。

 今彼女がやったのは自分が得た情報を魔力に変化し、血を代償にしてわからない目的地を探索する魔法だ

 普段は得意な魔法以外は失敗ばかりだが今日は全然違っていた


「――出た……え、住宅街!?嘘でしょ? 」


 住宅街で戦うとなると多大な被害が予想される、明日香は残りの魔力を足に集中して地面を駆け抜けた

 息が切れること無くこの街では多く住んでいるだろう住宅街に10分で着いたが明日香の目の前には一人の女が瀕死状態であろう使い魔に武器で危害を加えようとしていた


「ちょーと待った!!!」


 寸前のところで明日香は女の武器を足で払い除ける、女は少しよろめいたがすぐに体勢を整えた。


「興醒めやわぁ、アンタいきなりなにすんのよ」


 まるでこっちが悪いような感じで責めようとしたが、明日香は禁断の言葉を放つ。



「おばさんが今やろうとした事は見逃せないな」


 明日香にとっては瀕死状態の使い魔に危害を及ぼそうとした人物に少し様子を見ながら注意をしたつもりが


「誰がおばさんだゴルァ!!! 」


 女にとってはかなりの爆弾だったようで、明日香は少しほんの少しだけ後悔をする事になる。

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