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スターフィッシュ  作者: ベンジャミンバトン
1/7

恋はハリケーン

15歳になってしまった。


生まれてから15回も誕生日を迎えた。

人生の大半の喜びを知ってしまったような気がする。

13歳でファーストキスを終え、14歳で童貞を失った。


何のことはない喪失感。あの夜も眠れぬ日々を過ごし女の子のことばかり考えていた時期も過ぎ去ってしまった。

こんなものか…。

そんな考えのままいつしか高校に入学していた。

田舎の地元の高校だ。ほとんどが馴染みのある顔だ。



「はぁーこれなら朝は早いけどちょっと遠くの高校に行けばよかったな」


「お、はるきじゃん!なに朝から辛気臭い顔してんだよ!」


朝から大きな声を出す男。

背丈は普通、だが顔はなかなか整っている。普段はよくしゃべるがなかなかの人見知りでめんどくさいやつ。と言っても幼稚園からの付き合いだ。


「また、しゅうやと同じクラスかよ、これだから地元は嫌なんだよなぁ」


「傷つくこと言うなよ!クラス表みてみろよ!俺らのクラス結構知らないやつ多いぜ?」


確かに知らないやつの名前がたくさん書いてある。

スポーツが盛んな高校なだけに他の地域からも結構来ていた。


昔の俺なら不安だったろうなあ。子供の頃の俺は人見知りで幼稚園の先生のお尻にいつもしがみついていた。

田舎町の外れの方に住んでいた俺は近くに同い年の遊ぶ友達が住んでおらず昔は人と接することが苦手だった。

だが今は違う。小・中と歳を重ねるごとに人見知りは解消された。


ただ人と接することがめんどくさいのだ。



「おい!そろそろ入学式が始まるぜ!

行こうぜ!!」


「ちょっとまてよしゅうや!」


桜の花が咲くあの日俺たちは期待に胸を膨らませ入学式を迎えた。



何てことは全然なくみなさんご想像通りの退屈な入学式だ。

入学式当日に可愛いこと運命的な出会いなんてのはないない。



体育館に着くと中は人でごった返していた。

見慣れた奴、ツンツンに髪をセットしてるやつ、可愛いやつ、太ってるやつ様々だ。

それぞれが各自で自分のクラスの場所に行き整列というなんともアバウトなやり方だ。



「あー結構いるなー、何だよ案外知らねえ奴もいるじゃんか!」



「おいおいあんまりさわぐなよはるき!」



「おいおいさっきまで騒いでたのはどっちだよ!ほんとお前は人見知りというかなんというか…」



「前にも言ったろ!俺は他人が嫌いなんだよ!!」


俺がしゅうやと仲良くなったのもこいつのこんな性格に惹かれたのかもしれない。


およそ趣味の9割近くがあわない俺たちなのに人と接するのがめんどくさい俺と他人が嫌いなこいつ。


仲良くなるのは必然的である!ここまで読むとこの物語はこいつと俺のラブコメになってしまうが断言しよう、そんなことは断じてない!!!!!


天変地異が起きようが太陽が超新星爆発を起こそうがそれは起きない。

なぜならしゅうや以上に女の子が好きで変態は見たことがないからだ!


「はるきさっきからどこみてんだよ!」


「ん?あっ考え事してたんだよ!」


「嘘つくなよ!どーせあのショートカットの子みてたんだろ!」


「あ、嘘じゃねえよ、てかそのショートカットの子ってどこだよ、」


「4組の前の方に座ってる子だよ!」


「どれどれ、んーっと……おぉ」


稲妻が自分に落ちた感覚だ。

一目惚れ?これは運命!?ショートカットがよく似合う笑顔が眩しい子。この物語はこの女の子と俺の青春ラブコメストーリーなのである。



ってな妄想を頭で繰り広げてしまう始末。これが男子高校生だ!


「なぁしゅうや。おれあの子と付き合うわ」


「いきなりなりだなはるき、まぁ一応応援しとくよ」


なぜかその子を見たときに付き合えるという自信がみなぎってきたのである。


とかくこれから高校生活がスタートするのである!



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